カジュアルウェア
銀座はスーツのトレンドに最も敏感な街。
そこで異彩を放つオーダー店を発見。今季の推しをズバリ回答!
ファッショントレンドスナップ153
2022.08.17
銀座には本場ロンドンのサビルロー通り(スーツ発祥の地)をしのぐ数のオーダースーツのお店が集まっています。
もちろん、サビルロー通りは銀座で言えば並木通りくらいの範囲なので、一概にその数を比べるにはやや無理がありますが、ロンドンやニューヨークと比べても、これほどオーダースーツの店が集まっているエリアはほかにないのではないかと思います。
事実、明治から続く老舗が現存しているかと思うと、2着で5万円以下といった新コンセプトで若い顧客を増やしている新興勢力、ジョルジオ アルマーニやグッチといったラグジュアリーブランドも銀座店のみ特別の部屋を用意しオーダーが受けられるようにしていたりと、銀座はいままさにスーツ戦国時代。
今回のジェントルマンは、銀座のテーラーのなかでも独自のスタンスでファンをつかんでいるFIVEONE銀座本店の泉 敬人さん。
「おかげさまで、今年の春先からオーダースーツを作りにいらっしゃる方が、急激に増えてきています。コロナ渦の反動もあり、改めてスーツのよさを再認識された方や、ドレスアップすると気分が上がって仕事に集中できるということに気づいた方も多いのではないでしょうか」と泉さんからの近況報告。
コロナ渦の影響で体重が増減し、3年前のスーツがまったく合わなくなったから作り直すという方も多いと聞きます。長いブランクのあるスーツ、この秋冬どんなものを選べばいいかわからないという方も多いのではないかと思いますので、その辺をズバリお聞きしてみると。
「個人的な秋冬の推しということでいえば、イギリス製の生地で仕立てるダブルブレストスーツでしょうか。ファイブワンの職人が仕上げるとシルエットにはほどよく丸みがあり、ダブルブレストスーツにありがちな、いかつい感じが消えているのでトライしやすいと思います。私はトラディショナルなストライプを選んでいますが、無地にするとよりシンプルに見えますし、コーディネートも簡単。初めて仕立てるお客さまには最適ではないかと思います」と泉さんの解説。
ダブルブレストスーツの着こなし方は、泉さんのようにピンホールのシャツにクラシックなネクタイ(実はクジャク柄)、ポケットチーフを入れたクラシックスタイルもできれば、グレーやブラックのタートルネックセーターでモード的な着こなしも可能です。
それと、ダブルと聞くとかっぷくのいい方が着ると似合うスーツと思い込んでいる方も多いかもしれませんが、実はそうでもありません。逆に痩せ気味で貫禄が出ないという方にこそおすすめで、身体に合ったバランスのとれたものを仕立てれば見事にその悩みを解決してくれます。