週末の過ごし方
『ラブ』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #32
2022.09.29
ラブコメのイメージとは? 紆余曲折ありながらもどうせ“このふたりは結ばれるのだろう”と心の中で思っていたり、不幸な結末などないだろうという妙な安心感。あまたあるジャンルのなかから「ラブコメディー」を選ぶ心理は決まっている。「幸せな結末」が観たいのだ。
そんな紆余曲折を楽しむために臨むわけだが、このふたりにはその安心感がまったくない!?
Netflixで配信中の『ラブ』は、お人好しでマイペース過ぎるガス(オタク)と、恋愛に対して自由奔放なふりをしていても実は依存体質なミッキー(ビッチ)の不器用すぎる恋物語。
ガスもミッキーも30代になったばかり。想像していた30代とあまりにかけ離れている自分自身に戸惑いながら、子どものままでいられない、大人になり切れない、ふらふらと宙に浮いているような毎日。
ガスは、脚本家を目指しながら、撮影スタジオで子役の教師をしている。周りに流されやすい性格で、売り込みをするためにスタジオティーチャーになったはずが、子役やスタッフに振り回されっぱなし。友人たちと夜な夜な映画やドラマの話をしながら酒を飲んだり、テーマソングのない映画に、テーマソングを作るというバンド(?)を組んでいる。
ラジオ局で働くミッキーは、反骨精神旺盛で負けず嫌い。友人も多く、恋愛経験も豊富。一見イケてるふうに見える彼女も実は問題だらけ。仕事をクビにならないように上司と寝てしまったり、酒に逃げたり、セックス&アルコール依存症なのだ。
一見交わらないふたりがひょんなきっかけで出会い、惹(ひ)かれ合ってゆく。しかし、なにかとこじらせているふたりの恋愛は、正統派ラブコメディーのようにはいかない。