調べ・見立て(見立て)
ビジネスウエアとカジュアルウエア。
この秋に購入するときのポイントは?
編集長の「見立て」。#60
2022.10.26
働き方の大きな変化とともに、ビジネスウエアにも変化が訪れています。しかし、スーツがビジネスウエアの主役であるのは変わりません。コロナ禍の影響はもちろんありますが、セレクトショップのプレス担当者に尋ねると、「スーツのビジネス需要は戻っている」と言います。アエラスタイルマガジンの「調べ」アンケートの結果でも、秋冬のビジネスウエアとして最も購入したいアイテムにスーツを挙げた読者は32%でトップ。ファッション業界からは「セットアップスーツが人気」という声も聞きますが、このアンケートで見る限り、購入意向は7%にとどまっています。ストレッチ素材やドローコード(腰ヒモ)パンツのセットアップスーツは着やすさが特徴なので、トライしてみる価値おおいにアリです。
カジュアルウエアでも、最も購入したいアイテムを尋ねてみました。その結果、「ジャケット」が57%と高い数字を集めて1位となっています。見立て考察をしてみると、ジャケットはオンでもオフでも活用できることが購入の理由になっているようです。百貨店の売り場スタッフから、「オンでもオフでも、というフレーズが購買の決め手になる」といった声をよく聞きます。オンオフの両方でジャケットを活用したいのであれば、肩パッドや芯地がしっかりと入ったカッチリとしたものではなく、サッとはおれる柔らかい素材のジャケットを選ぶのがポイントです。
次に、ビジネスウエアとカジュアルウエアの両方で「購入するときに最も重視すること」を尋ねてみました。ビジネスとカジュアルのいずれも、「デザイン」や「価格」よりも「ブランド」を重視するビジネスパーソンが最も多いという意外な結果に。いっぽうで、「品質」を最も重視すると回答したのは、ビジネスウエアでは22%、カジュアルウエアでは5%と、回答の数字に大きな差が生じました。ブランドによるデザインの違いがさほどないスーツは、品質にしっかりこだわって選びたいという理由でしょうか。あるいは、品質のいいスーツを購入して長く着たいと考えるビジネスパーソンの意思も読み取れそうです。
じつは、ビジネスウエアでもカジュアルウエアでも、昨今の素材の進化には目を見張るものがあります。天然素材のようにナチュラルに見える化学繊維、薄くても保温効果の高い素材、防シワや防汚の機能でメンテナンスが容易な素材などなど。そういった意味では、洋服を選ぶときの視点として「快適性や機能性」をもっと重視してもいいと思うのです。