週末の過ごし方
『Le monde de demain:明日の世界へ』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #37
2022.12.08

「誰かが世界を分けているようだ、富裕層と貧困層が交ざらないように。でもこれが人生だよな……」。そう語るのは、シュープレムNTMディディエ(ジョーイ・スター)。
フランスのHIPHOP黎明期の立役者となったNTMをはじめ、移民が多く住むエリア、サン=ドニの空き地でパーティーを主催していたラジオDJのDee Nastyなど、80年代フランスのストリートカルチャーの目撃者たちの証言や実話。それらに基づいて描かれたドラマ『Le monde de demain:明日の世界へ』を観るには、知らなければならない時代背景がある。
第二次世界大戦後、労働者不足に悩まされていたフランスは、移民を大量に受け入れた。実際、高度成長期の労働力として、彼らは重要な産業に関わり、大いにフランスを支えたはずだ。しかし、フランスで生まれた移民2世はみな成人すると、フランスの国籍が与えられるにもかかわらず、国内での差別や貧困は広がる一方。そんな彼らの不平不満を表現するのに、うってつけだったのがラップ、グラフティ、ブレイクダンス、そうフランスでのHIPHOPカルチャーの幕開けだった。
あまり知られていないかもしれないが、フランスはアメリカに次ぐ第2のHIPHOP大国。フランスHIPHOP元年は1981年と言われているが、そこから現在まで、ずっと自国のヒットチャートには必ずと言っていいほどHIPHOP作品がランクインしている。日常に起こる差別や社会問題を告発することのできる代弁者として、移民をはじめ、多くのフランス国民に愛されてきたのだ。
ちょうど日本にHIPHOPが入ってきたのも同時期だが、浸透の仕方がまるで違う。しかし、影響を与えた楽曲たちはやはり同じだった。今やさまざまなアーティストのサンプリングネタとしてあまりに有名なジミー・キャスター・バンチの『It’s Just Begun』や、のちに“HIPHOP界の国歌”とまで言われたインクレディブル・ボンゴ・バンドの『Apache』など、懐かしく思う人も多いだろう。
まさにHIPHOPの教科書とも言える名曲がふんだんに使用されている。ファンクやソウルミュージックが好きで、サンフランシスコにレコードをディグしに行った若者、都心エリアでブレイクダンスを見て、影響されたHLM(郊外の集合住宅)に住む移民2世の若者、自分の存在を記すように、夜な夜なタグ(グラフィティ)を描き続ける若者……、そんな若者たちが引き寄せ合うように集まっていき、カルチャーとして確立してゆく。
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