カジュアルウェア
ビームスFの別注ダッフルコートは、トレンドとこだわりが満載。
大人が着るためのポイントは?
ファッショントレンドスナップ169
2022.12.23
最近男女を問わず人気が出ているコートがあります。「イギリス海軍で採用されたものが、民間に払い下げられて広まった」「女性向けの大人コーデが人気急上昇中」「ユニクロで見つけたので購入して出勤。誰もそれとは気が付きませんでした」などなどとつぶやかれていて、幅広い層に愛用されているのがわかるダッフルコート。
いまでこそインスタグラムなどで検索するとさまざまな着こなしをしている人がいて、今期のトレンドアイテムと言ってもいいくらいの盛り上がりですが、実は日本のファッション史のなかで見ると、このコートにはたびたびスポットが当てられてきていて、いまブームの「昭和メソッド」にピタっと当てはまります。
なかでも個人的に最もエポックメイキングだったのは、90年代に始まった裏原宿ブームの仕掛け人の一人だった、藤原ひろしさんがエルメスのオレンジ色のダッフルコートを愛用し話題となったこと。それを機にストリート系、トラッド系を巻き込んだ大ブームになりました。
もちろんそれまでにも、60年代にIVYの鉄板コート、80年代にはラグビー観戦着、プレッピーファッションのマストアイテムとして注目されましたが、大きなトレンドというほどではなく、愛好者がこだわって着ていたといった感じで、盛り上がりは狭いジャンルでのみという感じでした。(注)あくまで個人的な見解です。
それと、学生が冬に着るコートというイメージも昭和に作られましたね。
そうした、それまでの固定観念をバッサリと塗り替えたのが、藤原ひろしさんが着たオレンジのダッフルコートだったのです。
またまた前置きが長くなりましたが、今回のジェントルマンは、スーツにネクタイをビシッと締めてダッフルコートをはおってご登場。ポイントは、ダッフルコートの色。
藤原ひろしさんが着たダッフルコートの人気が出たのは、奇麗なオレンジというそれまでの定番品にはない色で、生地に独特の上質感が漂っていたからで、単純に高級ブランドものを着ていたから注目されたという安直な理由ではなかったのです。
実はダッフルコートは、色選びがキモなのです。
「ビジネスシーンで着ていただくならグレーがお勧めです。ネイビーやキャメルという定番も悪くはありませんが、大人の風格が出せ、スーツになじみやすく、顔映りがよく若々しく見えるという点ではこのカラーがベストですね(笑)。ブランドはラグジュアリーなダッフルコートを作ることで有名なイギリスのインバーティアで、着用しているのはそこのビームスF別注品です」と語っていただいたのはビームス ハウス 丸の内にお勤めの白井玉青さん。