カジュアルウェア
春コーデを格上げするトッズのローファー。
スーツに合わせるときの基本ルールとNGポイント。
ファッショントレンドスナップ180
2023.04.07
クールビズやオフィスカジュアルといったスタイルは、日本に定着してきました。温暖化の影響か、昨今は6月になる前からネクタイをはずし、通勤する人が増えてきていました。
とはいえ、梅雨明けまではボタンダウンシャツにスーツとかポロシャツにジャケットといったスタイルが定番化。2005年にクールビズが始まった当時のようなチグハグ感のある着こなしをする人はさすがにほとんど見かけられなくなりました。
ただ、SNSや電車やバスの中でたまに出会うのが、「ここを変えただけでもっとスマートに見えるのに」とか「最旬のスタイリングなんだけど一点だけ全体の感じとミスマッチ」というアイテムを身につけたビジネスマン。
その気になるNGアイテムはいったいなんなのでしょうか?
※あくまで個人的な感想です。オフィスカジュアルのルールは、ありそうでないというのが日本の現状、コロナ禍において無法地帯化してきている感じも……。
答えは、このスナップの中にあるのですがおわかりでしょうか。このジェントルマンの靴を見てください!
ベージュのコットンスーツにポロシャツというスタイルに、ブラウンのローファーを履いています。全身のカラーをまとめることで、コットンスーツのカジュアル感が薄まり、シックだけれど古臭いイメージがありません。スポーティーでほどよいリラックスした雰囲気も感じられますね。こうした、トレンドのオフィススタイルの要が、実は靴なのです。
彼は、ローファーのなかでも足の甲にふさの飾りがついているタッセルローファーと呼ばれる靴をチョイス。よく見るとアッパー(靴の上部)は、レザーなのですが、ソールが白のラバーです。ここが今回のポイントで、ソールが従来のレザーだとこの雰囲気は出ません。
前書きで触れましたが、ノータイでスーツを着たときに、靴が昔ながらのひも付きのシューズ(プレーントゥやストレートチップなど)だと、ちょっと違和感が出てしまいます。ひも付きの正統派シューズは、ネクタイを締めたときには、上半身とのバランスがいいのですが、ノータイのときはできるだけ避けたほうがいいと思います。
スーツが最旬のイージースーツになるとそれは顕著で、足元だけがクラシックで重厚な感じが際立ち、チグハグ感が増してしまいます。
※もちろんひも付きでも、つま先が丸いフランスやアメリカの靴なら違和感ありませんが、そのあたりは、かなり好みが分かれますね。
こういうときは、ビジネスシーンでも市民権を得てきたスニーカーを合わせるのが定番コーディネートですが、着こなし方をよほど考えないと、ゆるいビジネススタイルになりがち。取引先などに営業に行くときは、履き替えないと上司から小言をちょうだいしかねません。
そうしたことを回避し、職場の上司や女性ウケもいいという点では、白いラバーソールのローファーやスリップオンには、死角がほとんど見当たりません。
唯一のネガティブな要素があるとすれば、売っているお店が少なく、ECサイトでもビジネス向きとなるとなかなか見つけにくいこと。
ラバーソールのローファーで検索すると、登山靴などに使われるような堅いゴツゴツしたラバーソールも出てくるので、“スニーカー ローファー”で検索すると見つかりますが、このジェントルマンのようなラグジュアリー感のあるものはなかなか見つけにくいと思います。
スナップのジェントルマンの靴と同じデザインは、着こなしのハードルがかなり高くなるので、フサ飾り(タッセル)がついていないプレーンなデザインのローファー(スリップオン)をピックアップ。
アッパーの素材はカーフスエード。オン・オフ使え、ガシガシ履いても傷が付きにくく、目立ちにくいでしょう。トッズ オリジナルのラバーソールは、スニーカーに近い歩きやすさで、長時間履いても疲れにくくなっています。
ジェントルマンのようにソックスを履かないでオフィスに行けるかは、その会社の社風によりますので、お気を付けくださいね。
こちらは、ソールが白×赤茶になったリゾート感覚のローファー。アッパーはゴートスエードなのでやわらかく、細かな起毛がラグジュアリー感を際立たせています。どちらかというと、リゾートで仕事をするスタイル「ワーケーション」のときに最適な一足ではないかと思います。
Photograph & Text:Yoichi Onishi