週末の過ごし方

名門ホテル、ハレクラニは大改装を経て次の100年へ。
[帰りたくなるのは、やっぱりハワイ。]

2023.04.25

名門ホテル、ハレクラニは大改装を経て次の100年へ。<br>[帰りたくなるのは、やっぱりハワイ。]
カトレアの大輪が鮮やかなプール。

行きたいところに、自由に行ける。
そんな当たり前のことが、ようやくかないはじめた。
破裂寸前だった旅への思いが、今やっと解き放たれる。
ただいま、ハワイ。おかえり、海外旅行のある日常。

Halekulani(ハレクラニ)
伝統のおもてなしはそのままに、
年月を感じさせない美しさはさらに進化

ハワイ語で「天国にふさわしい館」を意味するハレクラニ。
1917年の創業以来、初めて全館営業を停止しての大改装に踏み切った。
歴史を後世へとつなぐため、生まれ変わったハレクラニをリポートする。

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    回廊のタイルも研磨され、より輝きを増していた。
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    敷地内で倒木した樹齢129歳のキアヴェが花台として復活。いけばなの「草月流」を採り入れたハレクラニの生花部がフラワーアレンジメントを担当している。

数年前に宿泊した記録が残っていたのだろうか。チェックインカウンターで「ウェルカムバック(おかえりなさい)!」と声をかけられると、ふわっと緊張がほぐれるのを感じた。久々のハワイ、そして1年以上にわたるリノベーションを敢行したハレクラニ。だが、その温かいおもてなしはなんら変わっていなかった。

もちろん、客室に入ると改装による変化はすぐに感じられた。壁紙には横ストライプ模様が描かれ、ハレクラニ開業以来のアイデンティティーとも言える「セブン・シェイズ・オブ・ホワイト(七彩の白)」を表現。ラインを少しずらすことで奥行きを表現し、視覚効果で客室が広くなったように見える。ソファはベッドにも変形し、3名宿泊時にもエキストラベッドは不要に。給電ポートには高速充電可能なUSB-Cタイプも採用され、快適さは格段に増した感がある。これらの刷新はプレミアスイートを除く全客室で完了しているというから驚きだ。

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ブルーのベッドスローや木目調の家具が導入され落ち着く雰囲気に。

一方であえて手を加えなかった点もある。バンガロー時代からあるプランテーション調の木製ルーバードアはそのまま残った。また客室内の絵画はタダシ・サトウ氏のものから、彼の弟子であるジョン・コガ氏の作品に掛け替えられた。「後世につなぐ」をコンセプトとした、実にハレクラニらしいリノベーションだ。

進化はパブリックスペースでも見て取れる。オールデイダイニング「ハウス ウィズアウト ア キー」では家具を一新し、中央には屋外バー「アールズ」を設置。キッチンもガラス張りにすることで、より開放的な雰囲気となった。またプールでは床面の古くなったタイルをすべて取り替えることで、カトレアのモザイクがいっそう美しく浮かび上がった。

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    テーブルや椅子、パラソルが新調された「ハウス ウィズアウト ア キー」。
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    17:00〜20:30の間、「ハウス ウィズアウト ア キー」のステージでは生演奏やフラダンスを楽しめる。

来るたびに細部まで美しく、100年以上の年月を一切感じさせないハレクラニ。だがそれは、この館を守る人々がたゆまぬ努力を続けてきたからこその賜物。そして次の100年へ、ハレクラニの新しい歴史は既に歩みはじめていた。

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おすすめはラナイでの優雅なブレックファースト。

ハレクラニ
2199 Kālia Rd., Honolulu
808-923-2311
https://www.halekulani.jp/

<<帰りたくなるのは、やっぱりハワイ。記事はこちらから

「アエラスタイルマガジンVOL.54 SPRING/SUMMER 2023」より転載

【クレジット】
Photograph: Akira Kumagai
Coordinate: Eriko Shiina(makana press)
Edit & Text: Keiichi Izawa

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