週末の過ごし方
『ザ・グローリー~輝かしき復讐』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #48
2023.05.25
パート2配信開始から、日本のNetflixランキングでは常にベスト10入りを果たしている韓国ドラマ『ザ・グローリー』。気になっている人は多いはず!
本作は、高校時代に受けたいじめにより、自主退学にまで追い込まれた主人公ドンウンの壮絶な復讐劇を描くわけだが、あまりに惨いいじめ描写の数々に、観るのをやめてしまう人も……。しかも、実際に起きたいじめ事件をベースにしているというのだから驚きを隠せない。
ドンウンは高校生時代、裕福な家庭で育ったパク・ヨンジン、チョン・ジェジュン、イ・サラ、そして取り巻きのチェ・ヘジョン、ソン・ミョンオ、この5人からいじめを受けていた。
一生消えぬであろう火傷の傷を負わされ、助けを求め警察に駆け込むものの、引き取りに来た担任は加害者の味方をし、「いじめられるほうが悪い」と暴力まで振るわれ、親は加害者家族から金を受け取り蒸発。ドンウンは独りぼっちだった。
「いつかパク・ヨンジンになる」と言い残し、高校を自主退学、建築士になる夢を諦め、ドンウンは復讐のために並々ならぬ努力をし、「復讐は何も生まない」なんて言葉を一蹴するように、綿密に練られた計画を実行してゆく。
このドラマが評価されていることのひとつに、主人公はもちろんのこと、復讐劇には欠かせない“悪役”たちも、叫びたくなるほどの憎悪感を抱かせてくれるクセの強い実力派俳優がそろっていることが挙げられる。視聴者のだれもがドンウンの味方になり、早く奴らの悪事を暴いてくれ!と言いたくなるほど最高の悪役を怪演。
そして、なにより映像と伴って美しいのは、悪役たちの“人生を壊されはじめ、狂っていく様”が滑稽でもあり、すべて身から出た錆だということ。
ドンウンはいじめを経験しているだけに、暴力などではやり返さない。パク・ヨンジンらが金で解決した悪事や、自ら犯した過ちを、すべて世間や家族に知らしめるという方法で復讐してゆくのだ。