スーツ

【ベルヴェスト】
ピッティで知る、スーツの現在。

2023.06.20

【ベルヴェスト】<br>ピッティで知る、スーツの現在。
デッラ・ピアッツァ副社長。スーツ数百着、ネクタイ1000本以上を朝の気分に合わせて使い分ける達人。

去る1月10日より、フィレンツェのバッソ要塞にてメンズファッションのトレードフェア「ピッティ・イマージネ・ウオモ(以下ピッティ)」が開催された。第103回を迎えた今回、「ピッティ・ウエイ」をテーマにした会場は、多様化するスタイルやトレンドであふれていたが、手堅く復活の兆しを見せるアイテムがあった。スーツだ。

復活と多様性の先にあるスーツとは

混迷が続く世界情勢に合わせて変遷を続けてきた「ピッティ」。今期の出展ブランド数は789社、来場者はバイヤー1万3500人を含む総数1万8000人と、昨年同時期からほぼ倍の参加規模となり、古都フィレンツェのルネサンス宮殿などを舞台に前夜祭やショー、各社展示会などが多数催されたにぎやかな4日間となった。ゲスト・デザイナーには、ストリート・ウエアのマーティン・ローズ、ジェンダーレス・ブランドのヤン=ヤン・ヴァン・エシュらを招聘(しょうへい)し、その革新的デザイン性で話題を喚起する一方、ブルネロ クチネリやヘルノなど常連メゾンは盤石で、ほかの中堅ブランドも多数復帰し、海外バイヤーもかなり戻ってきた。

ストリートやアウトドア・ウエアの躍進は続くが、今回浮上したのがクラシコ系の堅調ぶりだろう。会場でもコンテンポラリー・クラシックなスーツ姿のピッティ・ピープルが目立った。「コンフィンダストリア・モーダ」調べによると2022年のメンズ・ファッション産業界は前年比20・5%の売上高を誇り、各国の大手ファッション・ブランドもスーツ部門に力を入れているという。「近年部屋着でやり過ごしてしまって、ようやく外出するようになり身支度をきちんと整えたい、という男性が多いからでは」と語るのは、北イタリアのプレタポルテ・スーツの名門「ベルヴェスト」副社長のリッカルド・デッラ・ピアッツァ氏だ。

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'23秋冬コレクションではone-and-a-halfジャケット、over-sizeコートなどもお目見え。

「ベルヴェスト」は1964年の創業より数々の有名メゾンのスーツ部門を請け負い、1972年の「ピッティ」でブランド・デビューして以来「クラシコ・イタリア協会」の重鎮であった。各シーズンのコレクションで発表される多様な生地や洗練されたモデルからも、メゾンの歴史と底力が伝わってくる。1978年からサルトリア部門も構えているため、そのこだわりがプレタポルテ・ラインへも直結している。布地の綿密なチェックに始まり、スーツの麻芯はひと晩水につけ、ボタンかがりや襟元、アーム周りなど美しさや着心地にかかわる細部や仕上げには、熟練サルトによる手作業が惜しみなく加えられている。

子どもの頃からスーツに慣れ親しみ、ネクタイは千本以上を使い分けるというピアッツァ氏に「御社のスーツが選ばれる理由は?」と尋ねたら、「生地のクオリティー」と即答。「まずは目を閉じて、布の手触りを感じてみてください」。長く身にまとうものだから体が心地よく感じる生地選びが肝心、という創業者の祖父、そして母から伝授された知恵だそう。流行に関係なく「スタイルも素材も長く愛用できるもの」を目指している。

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「ジャケット・イン・ボックス」は1998年の発売以来、ビジネスパーソンに人気の定番アイテム。

「ベルヴェスト」2023年秋冬コレクションのテーマは「持続可能性と折衷主義」。ヘリンボーンの復刻カシミヤや3D視覚効果のあるグレンチェックなど時代ごとのイノベーションやエシカルな素材を採り入れつつ、誠実なモノづくりの姿勢と的確なアドバイスも、日本上陸以来、右肩上がりの売り上げを続けている理由であろう。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Michiko Ohira

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