接待と手土産
「ヨネムラザストア祇園」のサマートリュフクッキー
すべて実食! 自慢の手土産 #111
2023.07.13
舌の肥えた食通もうならせるミシュランシェフの傑作クッキー
1枚口にした瞬間、次の1枚に手が伸びる。豊かな風味と特別感がたまらない「ヨネムラザストア祇園」の「サマートリュフクッキー」。トリュフを冠にした食べ物は珍しくはないが、選び抜いたトリュフをここまでふんだんに使用し、これほど完成度が高いものには出合ったことがない。こちらは、オリジナリティーあふれる料理で知られる「新門前 米村」の米村昌泰シェフが編み出したもの。ミシュランシェフ渾身の逸品だ。
夏はイタリア産のサマートリュフを、冬はフランス産の黒トリュフという旬のトリュフを使い、風味付けのためではなく、正真正銘の本物を生地に練り込んで作るから存在感が違う。フレーバーは、バニラビーンズ特有のコクと甘みがなんとも言えない「甘」と、パルミジャーノチーズの塩気が新鮮な「辛」の2種類がある。
加えて、おいしさに磨きをかけているのが、発酵バター。バニラ、チーズ、バターにトリュフといった個性的な香りを掛け合わせて、上質で風味豊かなクッキーを作り上げる。長きにわたって一流シェフとして活躍し、素材を知り尽くしている米村シェフだからこそ完成できたクッキーだ。
包丁できざんだトリュフをクッキー生地に練り込み、ほどよい硬さにしてから、薄く切り分けて焼き上げる。2ミリほどの厚さが絶妙で、かまずとも口の中でほろっとほどけて、その瞬間トリュフの香りが口中に広がり、鼻腔を抜けていく。この口溶けのよさがなんとも素晴らしいのだ。
パルミジャーノ風味の「辛」は、チーズを使用している分だけ、「甘」に比べて少し食感がしっかりしている。トリュフの豊かさは同じだが、甘さと共にやってくるのと、辛さとでは味わいは全く異なり、交互に食べればエンドレスになる。
クッキーなのに、シャンパンやワインが飲みたくなる、なんともぜいたくな大人のスイーツだ。ちょっと高額な値段に一瞬ひるむが、まずは自分自身のご褒美として、一度購入してみてほしい。きっとこの感動を共有したくなるはずだ。
前々回の「ラ・ベル・ドゥ・ジュール」のパテとフラン、前回の「HIGASHIYA」の棗(なつめ)バターに続き、このサマートリュフクッキーも、ワインの相棒としては右に出るものがない。ここぞというときの一手に使える、真のグルマンをもうならせる逸品なのだ。
ヨネムラザストア祇園
京都市東山区新橋通大和大路東入2丁目橋本町385-1
営業時間/11:00~18:00
定休日/月曜日
価格/サマートリュフクッキー(200g)8500円 ※税込み
問/075-708-5133
https://r-yonemura.jp/store/
※ほかに新門前 米村、ヨネムラザストア(東京)、オンラインストアにて販売中。