お酒

キム・ジョーンズがヘネシーとコラボ。
コニャックとクチュールの理想的な融合とは?

2023.07.26

キム・ジョーンズがヘネシーとコラボ。<br>コニャックとクチュールの理想的な融合とは?

260年余りの歴史を有する、コニャックのトップメゾン「ヘネシー」から、このほど、セレブレートな逸品がリリースされた。メゾンを代表する象徴的なコニャック「ヘネシー X.O」がボトルにセカンドスキンのような衣服をまとったのだ。そのボトルケースをクリエイトしたのは、世界的なデザイナー、キム・ジョーンズ。ヘネシー社としても、ファッションデザイナーとのコラボレーションは初めてだという。

この画期的なプロジェクトに対して、代々マスターブレンダーの家系を継ぐフィリュー家の8代目、ルノー・フィリュー・ド・ジロンド氏(写真)に話を聞いた。まず、このボトルケースが作られるにいたった経緯はどのようなものだったのであろうか。

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「ひとときも手を止めることなく働き、伝統を受け継いできた私達ですから、これからもその長い歴史を大切にしていくのはもちろんのことですが、時に、セレブレーションという特別の感覚を強く感じさせる必要があると考えたのです。そのためには、広い意味で文化の一つである、ファッションとコニャックを融合させることが、有効なのではないかと思いました。今のボトルを変えずに新しい世界観を創り出すようなアイディアとデザインが必要でした。トップメゾンである我々とコラボレーションするからには、トップデザイナーでなければなりません。それでキム・ジョーンズ氏に声がけをしたのです」と、ルノー・フィリュー氏。

キム・ジョーンズといえば、ルイ・ヴィトンやディオールのアーティスティックディレクターとして活躍していることはよく知られるところだ。その氏に依頼するにあたり、二人で「ヘネシー X.O」を呑みかわし、ボトルに触れ、また、歴史を紐解き、その魅力を知ってもらったという。そのほかには、一切のリクエストも出さなかったそうだ。

いざ、ボトルケースができ上がってきたときには、ルノー・フィリュー氏はどのように感じたのだろうか?

「すごく感銘を受けました。最初は驚きもしましたが、すぐに、すっと腑に落ちるような必然性のようなものを感じたのです。アルミニウムのボトルケースがセカンドスキンのようにボトルをすっぽりと包みこんでいます。手で持った感触もとてもいい。このままグラスに注ぐのに、とても華やぎを感じます。大切な友達や家族と一緒に、また、一人静かに思索にふけりながら、大切な時間を過ごすパートナーとして、「ヘネシー X.O」への思いが一段と深いものになることと思います」

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ヘネシー X.O リミテッド エディション by キム・ジョーンズ[容量:700ml、アルコール度:40度]¥34,430と、ジョーンズ氏が手がけた特別なスニーカー(日本非売品)。専用の木箱(TOP画像参照)も豪華!

また、キム・ジョーンズ氏は「ヘネシー X.O」をイメージしたコラボレーションスニーカーもデザインした。初期のバスケットボールシューズからインスピレーションを得たもので、コニャックの色を再現したヌバック素材が美しい。

ファッションと長い年月にわたる文化の融合は見事に果たされた。それを受け止め、心から楽しんでいくことで、人生がより豊かなものになるであろう。

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ルノー・フィリュー・ド・ジロンド氏
1800年よりヘネシーのワイン生産・蒸留酒製造をつとめるフィリュー家に生まれる。2002年にヘネシー社のオー・ド・ヴィー部門に入社。叔父であるヤン・フィリューから、15年に及びコニャックの専門知識と秘密を受け継いだのち、2017年7月、39歳でマスターブレンダーに就任。一家相伝の8代目マスターブレンダーとして、その技を継承。新しいブレンドの創造に携わりながらも、彼が率いるテイスティング委員会とともに、オー・ド・ヴィーの卓越性、熟成と品質を保証し続けている。世界に目を向け、ブドウ畑やワイン生産者に親しみを込めて向き合い、技術の発展に熱心に取り組みながら、クリエイティブな活動を続けている。

問/ヘネシー https://www.mhdkk.com/brands/hennessy/history/index.html

Text: Hiroko Komatsu
Photograph:Yuki Okishima

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