調べ・見立て(見立て)
コロナ禍を経て、ビジネスパーソンの価値観や着こなしに、
どれくらいの変化があったのだろうか!?
編集長の「見立て」。#68
2023.07.25
ここに来て初めて新型コロナウイルスに感染する人もいますので、まだ油断はできません。ただ、5月から第五類感染症に移行されたことで、ここ数年続いてきいた息の詰まる生活からは脱しつつあります。通勤の電車にも、週末の観光地にも、イベントやスポーツの会場にも人が戻ってきました。私自身も、マスクを外して仕事をするようになっています。
アエラスタイルマガジンWEBのアンケートで、コロナ禍を経ての価値観の変化を問うてみました。「とても感じる」55%、「少し感じる」24%と、8割近くのWEB読者が価値観の変化を感じると回答しています。もっと圧倒的な数字、例えば9割以上が変化を感じると回答するかと予想しましたが、価値観の変化を「あまり感じない」9%、「まったく感じない」6%という冷静なビジネスパーソンもいるのです。
IT業界などのオフィスでは、リモートワークやWEBミーティングをコロナ禍以前から実施しているところもありました。コロナ禍の影響で、それがあらゆる業界や業種でも広まったのです。ただ、この春からは、「基本は出社」に再び戻すオフィスも増えているのは、通勤時間の電車の混雑ぶりを見ていてもわかります。リモートワークの最大のメリットは、「通勤時間のストレスを感じなくて済む」ことでしょう。いっぽうで、「社員同士のコミュニケーションが難しくなる」というデメリットがあるのもまた事実。どういった働き方をよしとするのかは、会社によっても、ビジネスパーソンによっても異なります。「コロナ禍を経て働き方に変化はありましたか?」のアンケートに、「どちらとも言えない」と回答したビジネスパーソンが9%にも上った背景には、そうした状況があるのです。
アフターコロナに向けたビジネスウエアの購入についてアンケートしたところ、「スーツを購入した」35%、「スーツ以外のビジネスウエアを購入した」12%、「靴、バッグなど小物を購入した」9%と、6割近くのビジネスパーソンが何かを購入しています。これらは働き方の変化に対応した購入と推察できますが、コロナ期間中の体形の変化というリアルな理由もあるかもしれません。いま購入すべきは、「現在の体形に合ったジャストサイズのスーツ」「WEB会議のときにサッと羽織れる着心地のいい薄手のジャケット」「出社時のビジカジにも対応できる大人顔のスニーカー」といったところでしょう。
「アフターコロナに向けて購入したビジネスウエアを選ぶときに最も重視したのは?」のアンケートに、20%にも上るビジネスパーソンが「快適性や機能性」と回答したことを頼もしく感じます。自分自身がどのような働き方をしているかによって、選ぶべきアイテムは変わるのです。外回りが多いのであれば、風通しの良い素材で、しかも汗をかいたとき自宅で洗えるウォッシャブルのジャケットがオススメ。いっぽうで、WEB会議の頻度が高いのであれば、着心地の良さと見映えが両立したストレッチ素材のセットアップがいいでしょう。
カッチリとしたスーツを誰もが着用する時代は過去のこととなりました。働き方や着用シーンにふさわしいビジネスウエアを、臨機応変に考えていく必要があるのです。「うーん、それが難しいんだよなぁ」という、ビジネスパーソンの嘆き声が聞こえてきそうです。そういったリアルな声に応えて、引き続き、アエラスタイルマガジンは「最適解」を考えながら、読者の皆さまに提案していきます。