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ラコステの定番ポロシャツをデザイン変更したシップス別注モデル登場!
コーディネートにはプロの味付けが満載。
ファッショントレンドスナップ192

2023.08.01

ラコステの定番ポロシャツをデザイン変更したシップス別注モデル登場!<br>コーディネートにはプロの味付けが満載。<br>ファッショントレンドスナップ192

日本のセレクトショップの草分け的存在といえば、ほぼ間違いなく挙がってくるのがシップスとビームス。

もちろん、その前から海外のブランドを独自にチョイスして販売していたところ(横浜の信濃屋、銀座のサンモトヤマなど)はありましたが、高級品が中心で入りづらく、一般の10〜20代の人が買える手頃な価格のものはほとんどなく、現在のセレクトショップのイメージとはかけ離れた存在でした。

そうした状況をいち早く変えたのが、1970年頃からアメリカからの輸入カジュアルウエアやグッズを上野で販売しはじめたシップスの前身であるミウラ。1975年には渋谷にミウラ&サンズをオープン。現在のSHIBUYA109の裏手のちょっとわかりにくいところにある小さなショップでしたが、入るといきなりアメリカ西海岸の薫りが漂う異次元世界が広がるという感じだったようです。

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シップスの1号店である、シップス 銀座店が昨年オープンから45周年を記念して作った「シップス 銀座店が教えてくれたこと A to Z」という冊子(パンフレット)にオープン当時のミウラ&サンズのショップが載っていました。筆者私物

ちなみにアメリカから直接買い付けた商品を販売する若者向けのショップは珍しく、たちまちメディアの取材が殺到。当時はセレクトショップという呼び方はしていなくて、インポートショップという表現だったように記憶しています。

1977年にはシップスとしての初のショップが銀座にオープン。ちなみにビームスが原宿にオープンしたのは1976年で、この時代の日本の二代アイドルは、ピンクレディーとザ・ドリフターズ。(注)個人的な感想ですので、あしからず。

この業界のツートップは、よきライバルでありお互いのスタイルをリスペクトし合う存在で、その後さまざまなセレクトショップが生まれるキッカケに。現在の日本の個性豊かなセレクトショップのほとんどは、このどちらかのDNAがひっそり組み込まれていると言ってもよいと思います。

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45年以上の歴史のなかで、シップスが日本で誰しもが知っているブランドを広めるきっかけを作ったり、トラッドの定番として語られるようになったものはいくつもありますが、今回はそのなかでも夏のスタイルに欠かせないポロシャツをピックアップ。胸元にはワニのアイコンがあるのですぐにブランドはおわかりですよね。

ポロシャツの定番といえばラコステ、現在のポロシャツのデザインや素材のベースになったと言っても過言ではない名品です。

そのラコステのシップスならではの別注モデルを今回は取り上げてみたいと思います。

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まずはイエロー(シップスではクリームと呼んでいます)のポロシャツから。注目していただきたいのは、胸元のワニ。

よく見るとシップス別注の左側のワニは珍種なのです! この青ワニはシップスだけでしか手に入らない配色。これなら、お出かけ先やゴルフ場でカブる可能性はぐっと減りますね。

裾の後ろ部分が長くなっている(通称ドロップテイル)ところは、比較的わかりやすい部分。こうしたデザインは、ラコステ本社が1970年前後にアメリカ向けに輸出されていた「メイド イン フランス」をベースに復刻したものだとか。実はミウラ&サンズのオープン当時に流行していたアメリカのアイゾッド社製のポロも、このドロップテイル、ボタンは4穴、青ワニでした。
(注)古着でアイゾッド社製の青ワニを見つけることはできますが、新品ではシップスのみでの取り扱いとなります。

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次はグリーンですが、こちらは襟の形がラコステの定番(L1212)とは違いますね。この襟は、ラコステの創業者でありテニスプレーヤーだったルネ・ラコステが活躍していた当時のニットの形に近づけたもの。減らし目のニット、ブリティッシュスタイルなどと呼ばれているデザインで、エレガントな雰囲気がプラスされています。ボタンは3個なのでクラシック感がマシマシになっています。

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それぞれのポロシャツの裾部分のアップがこちら。上がドロップテイルと呼ばれるもので、段差が付きスリットが入っています。下は袖口と同じリブ仕様。こうすることで昔のウールのニットポロに近い雰囲気が出せているように感じるのは私だけでしょうか?

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<商品>
左、ニュー70's ドロップテイル ポロシャツ¥17,600/ラコステ(シップス 銀座店)
右、クラシック ニットリブ ポロシャツ¥18,700/ラコステ(シップス 銀座店)

<お問合せ先>
シップス 銀座店 03-3564-5547

<公式サイト>
https://www.shipsltd.co.jp/

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今回はちょっといつもと違う構成で、ここでジェントルマンの登場。左手がシップス プレスの河野建徳さんで、右手が松尾教平さん。

おふたりにそれぞれの別注ポロシャツをどう着こなすかを見せていただきました。ポロシャツってこんなに振り幅のあるコーディネートが楽しめるのか!と感じていただけるはずです。プロならではの細かなテクニックが満載されているので、そこを後半で解説したいと思います。

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まず松尾教平さんのコーディネートポイントは、ポロシャツの下に白Tシャツを持ってきたところ。こうすることで、Vゾーンにアクセントができて、ポロシャツにデニムという超定番コーディネートが、トレンド感を漂わせる新しいものに見えてきます。

「Tシャツを重ね着するので、ポロシャツはワンサイズ大きめを選んでいます。半袖シャツの下に白Tシャツのレイヤードはもちろんのこと、定番のポロシャツにも汎用性の高さや表情の変化を見いだしたかったので、それの応用編です」と松尾さんの解説が。

暑くないの?と突っ込みたくなるところですが、確かに半袖シャツ&Tシャツと同じだと考えればこれもあり!どうやら、ポロシャツは素肌に着るという固定観念を捨てたほうが、ファッションをより楽しめそうですね。

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ポロシャツに限らず半袖シャツのときは、手首につけるアクセサリーが欠かせません。松尾さんのブレスレットは、アフリカのトゥアレグ族が作るもの。独特の模様は、ひとつひとつ手彫りされているんだとか。

時計は、ビンテージのオメガ。ブレスベルトのスポーティーな時計ではなく、あえてレザーベルトのクラシックな時計を選んで、抜け感を出すあたりはさすが。サンダル、時計、ブレスレットが、このコーディネートのスパイス役となり、ややもするとユルくなりがちなポロシャツ&デニムスタイルをさりげなく引き締めています。

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アンカーは先輩格の河野さん。こちらは、ニット襟のデザインを生かしたコーディネート。ペイズリー柄のバンダナを巻くことでポロシャツがいきなりダンディーなイメージに。

「襟の形がクラシックなので、ネッカチーフやバンダナとの相性は抜群によいと思います。それとボタンが3個というのもポイントで、2個だと少し窮屈な感じでバランスがよくないように感じます」と河野さんのベテランならではの解説。

1930年代を舞台にしたフランスやイギリスの映画に出てくるスーツスタイルを、別注のポロシャツを使って現代風に再現しているように感じるのは私だけでしょうか?

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こちらは、ジャケットなしでのコーディネート。ポロシャツの裾は、パンツにインしているところは読者の方々にもぜひトライしてほしい部分。もちろん、このポロシャツは、裾がリブですから、アウトにしてもよいのですが。

クラシックな着こなしにこの細いベルトの先を垂らすのは、かなり斬新。クラシックスタイルに、ほんの少しトレンドを入れることで雰囲気が一新するという良いお手本ですね。

おふたりのコーディネートを見ていると、シップスの考える永番の在り方、スタイリングの遊び方が垣間見えたような気がします。そして、トラッドな姿勢は守りつつも多様なスタイルを受け入れる包容力が、このセレクトショップを45年以上も続けている秘訣(ひけつ)のひとつだったと気付かされました。

トレンドスナップのまとめはこちら

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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