カジュアルウェア
ラグビーW杯開催記念!
ファッション業界に与えたラグビーの影響とは。
2023.09.12
日本中がOUR TEAM! 9月8日の開幕以来、早くも日本代表の熱戦が繰り広げられて目が離せない、ラグビーワールドカップ2023フランス大会。前回、初の凱旋パレードを開催したビジネスパーソンたちが行き交う丸の内仲通りには、今回もラグビー日本代表の勝利を祈願してオフィシャルスポンサーの『三菱地所』が「丸の内ラグビー神社」を建立。4年に1度のW杯の熱狂をみんなで楽しもうと、この秋はファッションもラグビー熱がますます盛り上がってきている。
ラグビー日本代表の愛称「Brave Blossoms(ブレイブブロッサム)」ことフィフティーンが着る伝統の桜のジャージは、『カンタベリー』が公式スポンサードしている。赤と白を基調として和の文様を採り入れた今大会のファーストジャージは、開催国のフランスをリスペクトして和の文様のなかにフランスの国花のユリの紋章が入っている。欲しいなあ。着て応援したいなあ。公式レプリカジャージは、4年前の開催時には日本が勝ち進むごとに売り切れか続出して、どこのカンタベリーショップに行っても手に入らずに悔しい思いをした。
今のラグビージャージは昔のラグジャとはデザインも素材も違うまったくの別モノである。これはそのままイコール日本のラグビーにも言い換えられる。W杯の日本代表のラグビーは、森や松尾、平尾、大八木が活躍した神戸製鋼7連覇時代の昭和の日本ラグビーとはまったくの別モノである。笑わない男、稲垣や、ラスタヘアーの堀江、丸の内に銅像があるリーチマイケル、ジャッカルの姫野など日本代表のフォワードで活躍する選手たちは、体格、身体能力、髪型まで、昭和の時代のラガーマンとまったく違う。プロのトップアスリートといったほうがよく似合う。日本のラグビーも選手も、世界と戦うレベルに日々進化しつづけている。だから見ていて面白いのだ。
いやはやそれに比べて筆者なぞはラグビージャージをラグジャと言ってしまうところからして、昭和のラクビー世代丸出しである。今のラグビージャージは薄くて丈夫ですぐに乾くポリエステル素材で、なにより襟がない。元高校ラガーマンからしたら「これがラグジャ?」と思ったものだが、前回のW杯の日本代表の躍進を見て以来、すっかり目も慣れて「カッケー!」と思うようになりましたね。
ラグビージャージのことをラグジャと呼んだのは、ほかでもない『POPEYE』である。創刊号でアメリカ西海岸の学生たちがこぞってラグビージャージをファッションで着るムーブメントを大々的に紹介して、日本でも大ブームになったのだ。ラグビージャージが西海岸でブームになったきっかけは、『パタゴニア』の創設者のイヴォンシュイナードがロッククライミングで着たことからと言われている。それもあって70年代のラグビージャージブームは、「ヘビアイ」こと『ヘビーデューティアイビー』で着こなすのがはやりであった。
当時のラグジャの代表的な着こなしは、ブルーの無地に胸に黄色と赤のホリゾンストライプが入ったラクビージャージに『リーバイス』のコーデュロイブッシュショーツを合わせて、『レッドウィング』のアイリッシュセッター。ワッチキャップをかぶりデイパックを背負って、アメリカ西海岸の学生のように「♪サンシャイ~ンオンマイショルダァ~」とジョン・デンバーの歌を口ずさみながら、小林泰彦さんが描くバックパッカーを気取ったものである。
80年代にはプレッピーブームで、再びラグビージャージがファッションアイテムとして注目される。ジャケットやブレザーにラグビージャージを合わせて、さらにBDシャツを重ね着してクレストタイでタイドアップ。『ポロ ラルフ ローレン』お得意のレイヤードテクがプレッピースタイルのお手本としてブームになった。いまやこのレイヤードテクは、ラクビージャージの着こなしの定番になっている。
W杯開催を記念したコラボアイタムが発売
この秋、『カンタベリー青山店』ではラグビーワールドカップ2023を記念して、『ブルックスブラザーズ』とコラボしてブレザーとBDシャツが発売された。ルックを見ると、ブルックスの定番であるネイビーブレザーの下にカンタベリーの無地のラグジャを着て、その下にBDシャツを重ね着して、パンツは真っ白いラグビーショーツ。
おなじみのプレッピースタイルだが、ショーツを合わせるところが今どきのアスレジャースタイルっぽくてカッコいい。なにより、合わせているラグジャがイングランド襟ではなくニュージーランド襟というのもカンタベリーらしくてよいではないか。こんな今どきのスペクテイタールックで、シャンパン片手にラクビーW杯フランス大会を応援したいものである。
問/カンタベリー青山 03-5411-5005
カンタベリー大阪店 06-6485-7806
カンタベリーECサイト https://www.goldwin.co.jp/canterbury/
Text:Atsushi Ide