カジュアルウェア

気候温暖化や記録的猛暑で変わるファッションの主役。
シャツにスポットライトが当たる時代が到来。今秋注目すべきシャツは?
ファッショントレンドスナップ194

2023.09.14

気候温暖化や記録的猛暑で変わるファッションの主役。<br>シャツにスポットライトが当たる時代が到来。今秋注目すべきシャツは?<br>ファッショントレンドスナップ194

9月になっても猛暑が続く日本。秋風どころか、まだ熱波が日本を覆っているといった感じですね。「10月になったら本当に涼しくなるの?」「秋はいつになればやってくるの」と疑いたくなる人は多いはず。(注)東北や北海道などの一部の地域は除く

そうなると、それまで秋冬のファッションの主役だったアウター(上着)を着るマインドがだんだんと薄れてくるのでは。それでなくてもコロナ禍でカジュアルスタイルがあらゆるシーンで浸透してきたことと相まって、テーラードのジャケットやレザーブルゾンなどの出番が激減。そんな状況で、今までは脇役だったアイテムにスポットライトが当たりはじめています。

回りくどい前置きになりましたが、今回フォーカスするのはシャツ。

そもそもワイドカラーやボタンダウン、スタンドカラー、ラウンドカラーなど襟のデザインに違いがあるにはありますが、生地を定番カラーにすると、パっと見た感じはどれも同じように見え、トレンドを強く出すには力不足では……と考えられがち。そのうえ、ジャケットやブルゾンを着るとほとんど見えないため、脇役に徹するしかないというのが現実。それが今年はこの残暑、暖冬のため秋冬ファッションの主役に大抜擢。

実際あちこちのセレクトショップやハイブランドでインパクトのあるシャツが打ち出されていて、冬用のアウター感覚のシャツ(CPOシャツなど)なども復活し、ロングラン決定という感じです。

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今回のジェントルマンは、初秋のシャツコーディネートのお手本と言える完成度!「私のショップで今期推しているのが、普段使いできるカジュアルなオーダーメードシャツです。ビジネス向きのシャツのオーダーはよく見かけますが、私がいま着ているようなデザインのものをオーダーで提案しているところは珍しいと思います。心がけているのはコーディネート全体で見たときに、きれいめになりすぎず、肩の力を抜いた着こなしになっていること。お客さまの描くイメージをくみつつ、私ならではのアレンジやアドバイスをすることで、ほかではなかなかまねできないシャツをお作りしています」とコメントいただいたのはクロース&クロージングの瀬古洋平さん。

なるほど、デザイン性の強いモードなシャツではなく、クラシックな王道シャツでもない独特の雰囲気のシャツですね。シャツ一枚でもコーディネートが引き締まっていて、主役の存在感が満載。

それとサイズバランスが絶妙。シャツを主役にする場合は、デザインだけでなくサイズ感がとても大切。トレンドの、ラグジュアリーブランドのシャツをネットで買って着てみたら、イメージと違う……という残念な結果になる最大の原因はサイズ感だったのです。

瀬古さんが着ているシャツで注目するポイントは、裾の長さと肩幅。裾出ししたときの、長すぎず短すぎない位置を決めるのは、身長とのバランス。肩幅はトレンド感が出る部分で、落とし気味(肩幅を適正位置より長く取る)にするとモード感が出て、タイトにするとクラシックなイメージになるデリケートな部分。こうした部分はプロの見立てが必要で、オーダーならではの存在感をアピールできるポイントです。

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既製品のシャツでも主役を張るようなデザインのものはいくつもありますが、生地がどうしても定番のカラーやストライプになってしまいがち。それはそれで安定感はあるのですが、新鮮な感じやトレンド感を強く出したいときには限界があります。

その点オーダーメードシャツの場合は、海外&国内の豊富な生地見本のなかから選べるので個性が際立ち、生地の質もチョイスできるので着心地も格別。それに、クロース&クロージングならではのデザインセンスがプラスされるとシャツ一枚でもインパクトのあるコーディネートが簡単に完成。

今回瀬古さんが着ているシャツは、クラシックなイメージの強いスタンドカラー(バンドカラー)にダブルポケット(フラップ付き)を付けることで、程よいトレンド感をミックスし、イエローベースのストライプ生地をチョイスしたことで、主役を張るにふさわしいオーラが強く出ています。

「オーダーメードシャツはハードルが高いと思っている方は多いと思いますが、着たいシャツのイメージを教えていただければ、生地のチョイスからデザインまで私がサポートしますのでご安心を」と瀬古さんのアドバイス。

初心者の方が陥りやすいミスやお悩みも瀬古さんが解決してくれるのは頼もしい限り。よく聞く失敗は、仕様をてんこ盛りにしすぎてデザイン過剰なものが仕上がること。またはその逆のシンプルになりすぎて(普通のデザインや定番生地)、持っている既製品のシャツとほとんど変わらないものができてしまうこと。とにかく、瀬古さんといろいろ話してイメージを伝えたらお任せするのが成功の秘訣(ひけつ)のような気がします。

オーダーメードは、ビスポークと呼ばれることがありますが、その英語の語源でもある「be-spoken」からきた言葉で、お客さまと会話を楽しみながらベストなものを作るという意味が込められています。

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クロース&クロージングではビンテージの時計も展開中。瀬古さんが選んだものは、彼ならではの美意識が貫かれていて、普通の時計店の品ぞろえ(ブランドもの中心)とは少し違っています。

今回見せていただいたのは、オメガのデ・ヴィルという人気モデルですが、瀬古さんの推しポイントはこの焼けてまだらのシミがある文字盤。使い込まれたデニムが美しいように、この文字盤の枯れ具合が美しい!というのが彼のお見立て。

<商品>
ビンテージ時計 ¥110,000/オメガ(クロース&クロージング)

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<オーダシャツ>
写真と同じスタンドカラーでダブルポケットのフラップ付きの場合 ¥22,000〜

特別なオプションを付けないオーダーの場合 ¥13.200〜(国内生地)¥16,500〜(海外生地)

https://www.cloth-clothing.com/post/ordershirts

<おい問わ合せ先>
クロース&クロージング 045-530-0629
info@cloth-clothing.com

<ホームページ>
https://www.cloth-clothing.com/

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意外と重要なのがボタンのチョイス。小さなパーツですが、色や穴の開き方などで仕上がりのイメージがガラっと変わってきます。初心者は瀬古さんにお任せするのが成功への近道だと思います! 初めてオーダーメードシャツにトライする方は、着ていきたいシーンや、お好みのサイズ感(ゆったりめかタイトめなど)を確認しておくとよいかも。またはインスタなどでお気に入りのシャツの画像が見つかった場合は、それを瀬古さんに見せると会話もスムーズで時短。

トレンドスナップのまとめはこちら

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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