カジュアルウェア

FASHION VIEW【後編】
ピッティは進化する。
2024SS PITTI IMMAGINE UOMO 104

2023.12.18

FASHION VIEW【後編】<br>ピッティは進化する。<br>2024SS PITTI IMMAGINE UOMO 104

3年ぶりに訪れた、ピッティ・イマージネ・ウオモ。そこには、かつてと異なる空気が漂っていた。世界的なメンズファッションの祭典の「いま」を伝える。

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カジュアル化は止まらない?

コロナ禍の有無にかかわらず、数年前からピッティの「カジュアル化」は進んでいた。それが一気に加速したと実感させるのが、パンツではないだろうか。ヨーロッパ、特にイタリアでは長らく「細身」のシルエットが主流で、昨今の日本の洒落者たちが好む太め方向のものはパイが小さかった。しかし、今年はやや風向きが異なる。日本でも知名度の高いブランドの多くが積極的に従来よりもワイドめで、かつよりカジュアル感の強い素材を提案。かつて、伊丹十三は「男のお洒落のポイントはズボン」と断言した。パンツのシルエットと素材感を通して、ピッティの現在地が見える気がした。

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リヴェラーノ&リヴェラーノのブース。

さて、イタリアン クラシコ系が衰退する一方かと言えば、さにあらず。今回、各国の目利きたちの話題をさらったのが、リヴェラーノ&リヴェラーノ。世界最高峰と誉れ高いサルトリア(仕立屋)が、プレタポルテ(既製服)でピッティに初出展したのだ。オーナーのアントニオ・リヴェラーノ氏は「素晴らしい職人の世界を、より多くの人に知ってほしい。私たちにとってピッティは、その契機になる」と語る。

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オーナーであり、現役サルトとしても活躍するアントニオ・リヴェラーノ氏。そのキャリアは80年に及ぶ。まさにリビング・レジェンドである。

ピッティ・イマージネ協会CEOのラファエロ・ナポレオーネ氏は今回のピッティをこう振り返る。「世界情勢と呼応し、ピッティはいま過渡期にある。ここを去るブランドがあれば、ここでしか出合えない新しいブランドも多い。ピッティ、ひいてはフィレンツェには、ほかの都市にはない文化やストーリーがある。そして、この規模のトレードフェアを、ミラノの各社のショールームで行うのは不可能だ。現時点で、次なるピッティの“顔”がどこのブランドになるかはわからない。でも、これまでそうだったように、それは必然的に現れる。時間の問題。私たちはポジティブだ」

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    アジア勢の台頭も注目ポイント。台湾のモン・カーボンのショーや展示が話題に。
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    日本からはフジタカらが出展。
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優れたアナリストでもあるナポレオーネ氏いわく、「いま消費の対象は“家中”から“旅行”に、そしてそれはやがて“ファッション”に向かう」

「アエラスタイルマガジンVOL.55 AUTUMN / WINTER 2023」より転載

ここには載せきれなかった写真は、アエラススタイルマガジン VOL.55にてお楽しみください!

Photograph: Mitsuya T-Max Sada
Coordinate: Mayumi Terashima

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