接待と手土産
「赤坂おぎ乃 和甘」の生どらやき。
すべて実食! 自慢の手土産 #125
2024.02.01
話題の新スポットに誕生した、ミシュラン一つ星監修のどらやき。
センスのよい手土産には話題性も重要だ。2023年11月に開業したばかりの虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのB2フロアに、「赤坂 おぎ乃」の荻野聡士さんが全面監修した和菓子店「赤坂おぎ乃 和甘」がオープンした。嵐山吉兆、銀座小十などで修業を重ね、開業後すぐにミシュラン一つ星を獲得した話題のシェフの新店。ここでしか出合えない和菓子に、もらったほうも心躍るに違いない。
赤坂 おぎ乃で食事の最後に提供しているジェラートやわらび餅など、ラインアップは充実しているが、私のいち押しはオリジナルの生どらやきの詰め合わせだ。高級日本料理店のどらやきと聞いて、生粋の和菓子を想像するも、意外にも和洋折衷。餡に、生クリームやバター、マスカルポーネチーズという洋の食材を合わせたハイカラなどら焼きが3種類。どれも甲乙付けがたいのだが、ひとつ選ぶなら、なんとも背徳感がたまらない「あずき塩バター」だ。皮が薄く風味豊かな北海道十勝産の小豆を使って、じっくりと炊き上げた甘さ控えめの餡に、厚さ5ミリほどのバターが重ねられ、甘さと塩味のバランスが絶妙な、どうしようもなくおいしいどらやきなのだ。
この罪深いコンビを挟み込むのは、荻野さんがこだわり抜いたと語る、香ばしくてきめ細やか、極上の食感の生地だ。よくあるもっちり系ではなく、軽やかなふわふわ感を追求した。中身との相性をとことん考え抜いて完成させたレシピは、化学肥料や農薬を一切使わずに栽培された熊本県菊池市の有機JAS認証の小麦粉、太陽光を十分に取り入れた環境で天然水と天然飼料で育てられた兵庫県産の卵を使う。店頭の銅板で一枚一枚焼き上げて、焼きたての皮がほどよく冷めたころ合いに餡やバターを挟み込む。この最強コンビネーションがおいしくないわけがない。
店先には次々とお客さんが訪れて常に大忙し。和紙の袋に個包装されて、品のよい紙箱に入れられた、5個入りと10個入りの詰め合わせがあるが、売り切れることも多いので、予約必至だ。現在購入できるのは、虎ノ門ヒルズステーションタワーのみだが、引き合いも多く、新店や海外展開も計画中とのことだ。日本の伝統的なスタイルのお菓子と、時代に合わせて選んだ素材やレシピの組み合わせは、海の向こうでも人気になるのは間違いないだろう。
赤坂おぎ乃 和甘
東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワーB2階 T-MARKET
営業時間/11:00~20:00
定休日/無休
価格/生どらやき5個入り2400円、10個入り4800円 ※税込み
問/03-6205-8611
https://wakan-ogino.com/