調べ・見立て(見立て)
ビジネスウエアの大きな変化に伴って
腕時計は何を着ければいいのか!?
編集長の「見立て」。#75
2024.03.13
コロナ禍の影響によって、ビジネスウエアの着こなしは大きく変化しました。では、男性がビジネスで着用を許される唯一のアクセサリーと言ってもいい腕時計は、いまどのように活用されているのでしょうか。そもそもコロナ以前から、時間はスマホで確認できるから「腕時計は必要ない」という意見を聞くこともありました。そこで改めて、アエラスタイルマガジンWEBの読者に「腕時計を日常的に使っていますか?」と問うてみました。その結果、腕時計を日常的に使っているといった回答が87%に上りました。これを見る限り、腕時計が不要であるとする意見はかなり少数派であるのがわかります。
端的に言えば、やはり男性は腕時計が好きなのではないでしょうか。また、「会議中などにスマホで時間チェックするのはビジネス相手に失礼である」とアエラスタイルマガジンでも何度も申し上げてきたマナーが浸透してきたとも考えられます。商談中のビジネス相手が目の前でスマホをいじっているのを見るのは、気持ちがいいものではありません。
では、どのようなタイプの腕時計を着用しているのでしょうか。アンケート結果を見ると「3針のドレスウォッチ」が68%と圧倒的な多数を占めています。ビジネスで使う腕時計で重要なのはパッと時刻がわかる視認性だと、これも、繰り返し申し上げてきました。時、分、秒を指し示す針を持つドレスウォッチこそが的確な選択であると、多くのアエラスタイルマガジン読者は理解しているようです。メカニカルなデザインが目を引くクロノグラフの腕時計は、ファッション感度の高い男性に人気がありました。ただ、2021年のデータと比較すると、その人気はここにきて少し落ち着いてきたようです。ビジネスシーンで文字盤に配されたストップウォッチ機能を使う機会は多くないのも、その理由でしょう。
問いを変えて、「いま最も購入したい腕時計はどのタイプ?」もアンケートしてみました。やはり1位は「3針のドレスウォッチ」ですが、「クロノグラフ」にも20%の支持が集まりました。平日の仕事用にではなく、週末に着用する2個目の腕時計としての購入を想定しているのかもしれません。あるいは、自宅からリモート
ワークをするビジネスとカジュアルの線引きが曖昧な日には、クロノグラフという選択肢も賢明です。
ストラップによっても、腕時計の印象は大きく変わります。最もドレッシーに見えるのは、レザーストラップです。冠婚葬祭などのシーンでも着用することができます。ただし、アリゲータやリザードなどのエキゾチックレザーは、ビジネスでも冠婚葬祭でも着用は避けてください。梅雨から夏が高温多湿となる日本では、腕時計のレザーストラップに汗染みができる場合もあります。「いま着用している」「いま購入したい」のいずれのアンケートでもメタルブレスレットが1位となったのは、そういった現実的な理由があるからです。最近では、工具がなくともブレスレットを自分で簡単に交換できるデタッチャブル機能を持った腕時計がいくつも登場しています。シーズンによって、シチュエーションによって、あるいは着こなしによってストラップを着替えるのも、視野に入れてみてください。