腕時計

腕時計を着ける男、本を読む男。

2024.03.26

400_03-027

世の中には、ふたつのタイプの男が存在する。腕時計を着ける男と、着けない男。腕時計を着けない男は、スマホで時刻を確認しているらしい。時刻に限らず、ニュースも為替の相場も、仕事のメールも、自分の健康状態さえも。世の中のすべてとは、スマホでつながっている。

あくまでも個人的な見解ではあるが、私はそういう人を信用しない。スマホの充電が切れた途端に、閉店ガラガラ。世の中が、仕事が、健康が、スマホの機嫌次第というのは、どうもいただけない。

腕時計を着けている男からは、自分自身で事に当たろうとする意志を感じる。スマホ頼み、ひと頼み、会社頼みではなく。時間をコントロールして、人との約束を守り、自分の価値基準で世の中を把握する。そんな人を「男前」だと、私は感じる。

スーツに似合う腕時計を語るとき、これまでであれば「視認性のよい3針」「エレガントな革ストラップか機能的なメタルストラップ」といった条件を挙げてきた。いま、働き方も大きく変わり、それに伴ってスーツの着こなしも自由になった。その日の仕事内容や働く場所によって、タイドアップでもストールでもニットでもはばかられることはない。であれば、腕時計選びも自由でいい。ピンクの文字盤も、スポーティーなクロノグラフ計も、ツートーンのリボンストラップもスーツに着けるのを解禁していいだろう。

ここに並んだ腕時計の共通点は、機械式であること。意志ある男の腕元には、ゼンマイの力で駆動する機械式時計がよく似合う。いま、機械と呼ばれるもののほとんどは電気の力で動いている。もちろん、スマホもそのひとつ。機械式時計は、ゼンマイを巻けば動く。しかも正確に。このシンプルな仕掛けは、男たちの相棒と呼ぶに値する。

もうひとつ言うならば、世の中にはふたつのタイプの男が存在する。本を読む男と、読まない男。自分だけの見識に頼らず、先達の知恵に学ぶ。そんな、本を読む男を私は信用している。

「アエラスタイルマガジンVOL.55 AUTUMN/WINTER 2023」より転載

Photograph:Masanori Akao(whiteSTOUT)
Styling:Masayuki Sakurai
Hair & Make-up:Shotaro(SENSE OF HUMOUR)
Edit & Text:Kenji Washio

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選<br>【ボッテガ・ヴェネタのイントレチャート スタンプ ウォレット】

    新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選
    【ボッテガ・ヴェネタのイントレチャート スタンプ ウォレット】

    小物

    2026.03.06

  2. 国境を越えた蕎麦愛。立ち食い蕎麦屋『福そば』が生んだ、<br>本気の鰹だしと季節の天ぷら。@人形町

    国境を越えた蕎麦愛。立ち食い蕎麦屋『福そば』が生んだ、
    本気の鰹だしと季節の天ぷら。@人形町

    週末の過ごし方

    2026.03.03

  3. 新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選<br>【メゾン マルジェラの三つ折り ウォレット】

    新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選
    【メゾン マルジェラの三つ折り ウォレット】

    小物

    2026.03.04

  4. アードベッグ史上最高度数61.7%!<br>伝説の“10年”がカスクストレングスでよみがえる、<br>「アードベッグ 10年 カスクストレングス」。

    アードベッグ史上最高度数61.7%!
    伝説の“10年”がカスクストレングスでよみがえる、
    「アードベッグ 10年 カスクストレングス」。

    お酒

    2026.03.06

  5. 新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選<br>【プラダの「サフィアーノ」レザーミニウォレット】

    新年度に向けて新調したい“春財布” おすすめ20選
    【プラダの「サフィアーノ」レザーミニウォレット】

    小物

    2026.02.27

紳士の雑学