接待と手土産
「HAA」のHAA for bath 日々。
すべて実食! 自慢の手土産 #130
2024.04.18
名高い湯治場を自宅に再現。別府の湯の花で作る入浴剤。
前回の木村硝子店に続き、番外編の第2弾。自宅で気軽に温泉気分が味わえる入浴剤は、ギフトとしても人気が高い。香り豊かなもの、効能抜群のもの、オーガニックや自然派もあり、ルックスもしゃれていて、心躍るものがたくさんある。気軽にいろいろと試せるから、お気に入りを見つけて、すてきなバスタイムを満喫なんて人も多いのでは。そんななか、私がハマってしまったのが、「HAA」の入浴剤「HAA for bath 日々」だ。無香料の乳白色の湯には、わずかにとろみがあり、とにかく肌触りがいい。包み込まれるような感覚に心身が緩み、そのうち芯からぽかぽかしてくる。
この入浴剤が生まれたのは、温泉地として名高い別府温泉の八湯のひとつ、鉄輪温泉。鎌倉時代に開湯されて以来、さまざまな病を治すと多くの人々が訪れた湯治場だ。原料は350年ほど前から作られている湯の花。温泉地の土産物屋でもよく見かけるが、ほとんどは温泉の沈殿物を乾燥させたもので、別府の湯の花とは別物。別府では今でも湯の花小屋と呼ばれる小屋を建てて、山で採れる青粘土を敷き詰め、その粘土層のすき間に温泉ガスを通すことによって、湯の花を作っている。その工程は繊細で、夏場で40日以上、冬場では60日~70日の時間をかけて、職人が大切に育て上げるのだ。
別府の湯の花を使ったHAAの入浴剤は、さっと湯に溶け、その白濁の湯で自宅にいながら本格的な温泉気分が味わえる。生後3カ月以上なら赤ちゃんでも入れるほど柔らかな湯だ。さらに体に大切なミネラルをたっぷりと保ったまま、浴槽を傷めないように硫黄成分が取り除かれているのもありがたい。
HAA代表の池田佳乃子さんは、出身地でもある別府と東京の二拠点生活を送っていたとき、都会ではゆっくりと深呼吸することすらなく、しだいに呼吸が浅くなっていくのに、いつも湯治が身近にある別府では自然に呼吸が深まっていることに気づき、2021年に湯治をコンセプトにしたブランド「HAA」を立ち上げた。
HAAは入浴剤を通して、心身の癒やしを届けたいと願う。「HAA for bath 日々」シリーズは、そんな思いを伝えるべく、「みちたりた空」や「あたたかい場所へ」などのタイトルが書かれたシートで、入浴剤のひとつひとつを包む。さらにそのシートの内側には、小説家、編集者、フードコーディネーターなど、さまざまなキャリアを持つ25人がつづったエッセイが書かれていて、その文章が、また温かな気持ちにさせてくれるのだ。
HAAというネーミングは、お湯につかったときに思わず出る、は~っという息。そして深呼吸してほしいという思いから。5月、6月には母の日、父の日もあり、いつまでも健康でいてほしい、肩の力を抜いてリラックスしてほしいと願う人への贈り物に最適だ。湯治場を知り尽くしたオーナーが作ったシンプルでセンスのよい入浴剤が、自宅の風呂を名湯に変え、至福のバスタイムを可能にしてくれるのだ。
HAA
大分県別府市鉄輪東10組3
価格/HAA for bath 日々(10個入り)5280円、同(5個入り)3300円、HAA for bath 小箱(3個入り)1540円 ※税込み・送料別
https://haajapan.com/