週末の過ごし方

超巨大建築と砂漠とビーチ
大人を刺激するドバイをリーズナブルに楽しむ

2024.05.31

超巨大建築と砂漠とビーチ<br>大人を刺激するドバイをリーズナブルに楽しむ

空港から市街地へ向かう車の中から外を見ると、目を疑うほどの超高層ビルや建造物が次から次へと現れる。それもそのはず、ここは数百ものギネス世界記録を有するアラブ首長国連邦の中心都市ドバイ。いま、ビジネスパーソンにこそ訪れてもらいたい刺激が待っている。

ドバイはタイパ&コスパ最高

14日でドバイ観光ができる? にわかには信じがたいがどうやら本当らしい。面積約4,114平方キロメートルのドバイは、東京都の約1.8倍という広さ。都市部と砂漠地帯から形成され、そのほとんどが砂漠地帯となっている。街にはビーチもあり砂漠までは車で約1時間あれば移動可能。しかもリーズナブルに楽しめるという。休みが取りづらい、忙しいビジネスパーソンにとって利便性は抜群といえる。

7つの首長国からなるアラブ首長国連邦のなかでドバイは最も人口が多く、経済的にも重要な都市のひとつだ。石油収入を基盤に経済を多様化したことは周知のとおり、観光、金融、不動産、貿易など多岐にわたる産業を発展させてきた。

2未来博物館
空港からホテルへ向かう車窓から見えた「未来博物館」

日本からドバイへは、成田、羽田、関西空港から毎日直行便が出ている。今回は、成田空港を夜に発ち、約11時間のフライトを経て朝5時半にドバイ国際空港に到着。

入国管理を通過する際に、24時間有効の1GBのフリーSIMがもらえたり(18歳以上の観光者向け)、高級車が当たる宝くじがあったり、経済的豊かさのあるドバイは何かが違う――。どんな場所なのか探っていきたい。

3ドバイフレーム
フライト直後の頭では理解が追いつかないほど超巨大な「ドバイフレーム」を発見

アル・ファヒディ歴史地区で19世紀半ばのドバイを知る

ホテルにスーツケースを置き、ドバイの歴史的エリアのアル・ファヒディへ向かった。ここは伝統的なアラビア建築が残っている、観光客に人気のスポットだ。お目当ての「アル・ハイマ・ヘリテージ・ レストラン(AL KHAYMA Heritage Restaurant)」に入る。とりわけ朝食が人気で、収穫したばかりの新鮮な食材を用いた伝統的なアラビア料理を提供している。

4ドバイの朝食
ボリュームもたっぷりなアラビアン・ブレックファーストAED93.45(1AED=42.7円)

トマトソースの上に卵が載った焼き料理「シャクシューカ」(中央の楕円)、そら豆を煮込んだ「フール」(左上の円形)、ひよこ豆とごまペーストなどからできた「フムス」や水切りヨーグルトの「ラブネー」などをお好みで加えながら、タンドーリブレッドやサフラン入りのパンケーキと食べる。飲み物はチャイ。

石造りの店内には中庭や大きな木があったり、目の前でタンドーリブレッドを焼く人がいたりと、昔ながらのアラビアの雰囲気と相まって居心地のいい空間だった。

アル・ハイマ・ヘリテージ・ レストラン
https://alkhayma.com/restaurant/al-khayma-heritage-restaurant-dubai
営業時間:9:00~23:00

5アル・ファヒディ歴史地区
コーラルストーンの壁でできているアル・ファヒディ歴史地区の建築

ドバイの歴史は漁業と真珠貿易に始まり、19世紀半ばにイギリスと協定を結び、1960年代の石油発見後、経済が急成長した。砂漠を旅する半遊牧民ベドウィンの文化に根差しており、厳しい気候や住みにくい環境を生き抜いてきた。

アル・ファヒディ歴史地区には、そんな19世紀中頃の家屋や装飾を施した建物や迷路のような細い路地や蛇行する歩道、真珠を採っていた船などが残されている。

アートギャラリー、博物館、カフェなどもあり、自由に散策することもできるし、有料のガイド付きツアーに参加することも可能。

6スーク

「スーク」と呼ばれる市場には、ショッピングを楽しみたい観光客が押し寄せていた。特に有名なのは、オールド・スーク、スパイス・スーク、ゴールド・スークの3つで、オールドはテキスタイルを多く扱っているのでファッション系が多く、あとはその名のとおり、料理に使うスパイスが多い市場ときらびやかな金を扱う市場となっている。

また、このかいわいにはドバイ・クリーク(入り江)があり、対岸へ行くための木製の渡し船の「アブラ」があるので、乗船してみよう。AED1(42.7円)、数分の船旅だが、左右に新旧のドバイの町並みがあり、時代が交差するような光景を眺められる。

大人の社交場、ラグジュアリーなビーチ・クラブ

7キーマ・ビーチ・クラブ

街の中心地にあるショッピングモール「ドバイモール」から車を走らせること約20分(※ドバイ国際空からは30分)、ラグジュアリーなビーチホテルが点在する海沿いエリアに到着。イケてる大人の社交場とも見て取れるビーチスポット「キーマ・ビーチ・クラブ(Kyma Beach Club)」を訪れた。

キーマ・ビーチ・クラブは、世界で最も大きい人工島のパーム・ジュメイラにあり、プライベートビーチとプール、レストランではギリシャの伝統的な料理と地中海テイストが融合した料理を楽しめる。ドバイにビーチ・クラブは多数あるが、ホテル付属のビーチ・クラブと異なりここは利用料を支払えば誰でも入れるので、1日だけ、または半日だけといった具合に手頃にエレガントな時間を過ごせるのが魅力だ。

8プールサイド
平日は10:00~夕方まで、サンベッド1人用 AED200(250)、ガゼボ2人用 AED500(700)、半個室のようなカバナ4人まで AED1,500(2,000)。カッコは休日料金
9ドバイランチ
写真左上から、ブッラータサラダ AED82、寿司ロール AED89、ディップの盛り合わせ(ザジキ AED44、タラモサラタ AED41、ティロカフェテリ AED48)、フェタチーズのパン AED89、フライドカラマリ AED75(ポテトはバーガー AED85の付け合わせ)。

サンベッドやカバナでリラックスしながら海を眺めたり、読書をしたり、泳いだり。ドバイにいながら地中海リゾートのような雰囲気を感じられる空間は、単調な日常から解放され、かつ安心してくつろぐことができる。

11
Google mapで見るとヤシの木の地形になっているパーム・ジュメイラ。キーマ・ビーチ・クラブはこのヤシの木の根本部分にある。ビーチもきれい

キーマ・ビーチ・クラブ
https://kymabeach.ae/
営業時間:The Beach 10:00~サンセットまで(年齢制限:21歳以上)
The Restaurant 12:00~1:00/ドレスコード:スマートカジュアル&ビーチウエア(年齢制限:12:0019:0021歳以上、19:001:00は制限なし)

気になるドバイの旅費についても触れておきたい。もちろん、ぜいたくな旅行にすることもできるが、キーマ・ビーチ・クラブを利用するなど工夫することで、比較的手頃に楽しむことができる。ちなみに私が宿泊したホテルは、ドバイ生まれの「ROVE City Walk(ローブ シティウォーク)」で、1室(2名)1万円台〜とお手頃だった(時期により変動あり)。

54階のルーフトップで極上なひとときを

ドバイ滞在数時間で、旧市街地からハイエンドなビーチクラブまでを満喫した。そして夜はまた、特別なひとときが待っている――。

眼前には世界で最も高い建物であるバージュ・カリファ(828メートル)やドバイの街のパノラマビュー。ここは、アドレス・スカイビューホテルの54階にあるルーフトップレストラン「セラヴィ(Celavi)」である。

12-CLV-Resturant

まず、54階から見下ろす街はまるでジオラマ。すでに超高層階にいるはずなのに、さらに高いバージュ・カリファがそびえ立っている――。

ドバイでは、カメラの画角に全体像を収めるのは難儀だ。高さがありすぎて、下から上まで入らない。この、今までの常識を覆すド迫力と素晴らしさ。すっかりドバイのすごみを見せつけられた。

  • 13-Black-Truffle-“Sushi-Rice”-Risotto
    黒トリュフの日本米リゾット
  • 14-Roasted-Diver-Scallops
    ホタテのロースト

一流の絶景には、一流の料理がよく合う。セラヴィでは、ミシュラン星レストランでの経験を持つヘッドシェフが、コンテンポラリーなアジア料理を中心に感動的な一品を提供。また、ヴィーガン向けのメニューも充実している。

今回はビジネスランチ(AED140~なので6000円くらい/20243月、平日の12:0015:00のみ提供)を味わった。前菜、メイン、デザートのセットで、一品ずつにボリュームがあるため、食が細めな日本人にはちょうどいいサイズ感。夜は単品を注文する形になり、メイン料理がベジタリアンで1万2000円、肉・魚は約2万円~、合計はおよそ3万円~となる。

人気のブッラータサラダ、食欲をそそるサーモンやロブスターの巻物などの前菜から、黒トリュフの日本米リゾットやジューシーなサーモンのローストなどの極上のメイン料理へ。食後は魅惑的なチョコレートの塩キャラメルタルトや、ヴィーガンのココナツタルトで甘いひとときを堪能。

空間と料理が一体となり、特別な日にふさわしい時間を過ごせる。セラヴィは絶対に訪れたい場所のひとつだ。

セラヴィ
https://www.celavi.com/en/dubai/
営業時間:ランチ12:0016:00、ディナー18:000:30

<<後編に続く

取材協力:ドバイ経済観光庁
Text:Tomoko Komiyama

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