週末の過ごし方
浅草『中華料理 ぼたん』の名物料理、
“江戸っ子”オムライスをパクリ!
マッチと町中華。【第15回】
2024.06.03
どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。今回、訪れたのは、さまざまな文化が息づく浅草で70年以上愛される『中華料理 ぼたん』。ハイカラな街の個性を表すような“町中華のオムライス”を食べながら、マッチに浅草でしてみたいことについて聞いてみた。
前回の「博雅」に続いて、マッチが浅草の町中華を訪れるのは2回目。下町の人情と温かさに触れ、すっかりその魅力のトリコになったマッチが向かったのは浅草寺にほど近い「中華料理 ぼたん」。下町のシンボリックな風景としてもおなじみの東京スカイツリーは“江戸紫”色にライトアップされることでも知られるが、昭和23年に創業したこの店にも、上品な江戸紫の暖簾(のれん)が掲げられている。
長年、マッチの大ファンだという女将の川瀬千明さんは「マッチに会えるなんて、真面目にこの仕事をしてきてよかったです。若いころはお友達もみんな、私がマッチと結婚する! と言っていたんだから(笑)」とうれしそう。マッチも「町中華でこんなに持ち上げられるのは初めてです」と笑いながらもまんざらではなさそうだ。
週末に限らず、観光客であふれる浅草には多くの名所や名物があるが「ぼたん」のオムライスもそのひとつ。三代目の祖父が洋食店で働いていたこともあり、メニューに加わったのだという。
「オムライスは絶対にお願いしたいし、餃子と麻婆豆腐もいいね。あとは、やっぱりビールかな」と注文。浅草には昼から開く酒場がずらりと並ぶ“ホッピー通り”があるとスタッフから聞くと「それは楽しそう!」と興味津々。気分だけでも味わってもらおうと、特別にぼたんの軒先でビールを飲ませてもらう。「明るいうちから外で飲むビールは本当に最高。いつかホッピー通りにも行ってみたいです」と言うマッチに料理が運ばれてくるまでのあいだに、浅草でやってみたいことを聞いてみることに。
「ここに来るときにちらっと見えたんだけれど、浅草花やしきは行ってみたいな。もしかしたら、グラビア撮影とかで行ったことがあるかもしれないけれど、あの頃の記憶がちょっとぼんやりとしていて(笑)。お化けやしきは苦手な人も多いと思うけれど、僕は全然平気。どこからでもかかってこい!という感じです(笑)。ただ、幽霊の存在は信じている部分もあるかな。かなり前にツアーで大阪のホテルに泊まったとき、疲れて寝ていたら両足をずんと引っ張られてベッドの下に落ちたことがあって。あれは今でも忘れられない恐怖体験(笑)。もちろん、部屋には誰もいなかったからちょっとパニックになった」と、少し時季が早めの怪談話も。
ビールを飲みながら餃子と麻婆豆腐をつまむマッチを眺めながら、女将さんも変わらず目がハート状態。厨房では三代目店主と息子さんが鍋を振りながらオムライスを調理している。
常連客のファンが多いのはもちろん、この頃はSNSでも頻繁に見かける#ぼたんのオムライスは、ラードをたっぷりと使い、高火力で炒めることでチキンライスをパラパラに仕上げているのがおいしさのポイント。
薄焼き卵に包まれたオムライスはビジュアルが端正で“飾らない江戸っ子”の美意識が表れているようでもある。スプーンでひとすくいして「豚の脂の甘みと頰がキュッとなるようなケチャップの酸味のバランスが最高です!」とマッチ。蕎麦屋に限らず町中華も長っ尻は野暮と、一気に完食する。
「じつは、東京スカイツリーが開業したときに登ってみたいと思って出かけたことがあるんです。そのときはすごい人で泣く泣く諦めたんですけれど、近々、再チャレンジしてみようかな。それで花やしきに行って、浅草寺にお参りして、ぼたんでオムライスを食べる。余力があったらホッピー通りも(笑)。これが僕の理想の浅草エリア散歩コースです」
中華料理 ぼたん
東京都台東区花川戸1-8-1
TEL/03-3841-5040
営 11:00~21:00
金曜休み 26席
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
NEWS!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!
マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera