週末の過ごし方
ラクダと砂漠探索、世界最大のモールでショッピングも
進化しつづけるドバイをリーズナブルに遊ぶ
2024.06.07
ドバイ1日目は歴史と伝統、ラグジュアリーなビーチクラブと迫力の夜景を満喫した。翌朝は、ラクダに乗って砂漠散策へ。世界一が集まるドバイには、ビジネスパーソンにこそ訪れてもらいたい刺激が待っている。
一生に一度は体験したいデザート・サファリ
市街地のホテルから車で移動すること40分、あれほどあった高層ビルがうそだったかのように、あたりは砂漠地帯に変わった。車道の脇には、黒くて長い角をもつ野性のアラビアンオリックスがいる。ベドウィンカルチュラルサファリツアー(砂漠探索とベドウィン文化を体験するツアー)の出発地で、昇り始めた朝日を眺めながら頭にスカーフを巻いてもらう。ラクダと砂漠散歩へ出かけるのだ。
どこまでも続く赤茶色の砂漠と点在する植物、静まりかえった音のない世界から聞こえてくるのは、ラクダが歩くかすかな砂の音だけ。暖かなラクダの体温が伝わり、およそ15分の神秘的な時間が過ぎていく――。
散歩のあとはベトウィンのキャンプへ戻り、ファルコンショーを見たり、UAEの伝統的な朝食を食べ、ヘナのボディーペインティングをしてもらったり。ベドウィンの伝統的なダンスパフォーマンスも見ることができた。
次に私たちを待っていたのは1950年代のビンテージのランドローバー。ガイドと一緒に野生動物や植物の探検に向かう。
小さな砂丘の上ではアラビアンオリックスがくつろぎ、マウンテンガゼルの群れもいる。照りつける太陽の下で車は砂漠を走り抜けていくが、さっきも通ったような景色が延々と続く。時空を超えるような不思議な感覚だ。
砂漠には水がほとんどないなぜ植物が育つか。今回、参加したツアーを主催する「プラチナムヘリテイジ・ドバイ」のガイドが、さらさらの乾いた土にボトルに入った飲み水を落とす。すると、その部分だけ器のように固まった。砂漠の土は保水力が高いのだという。
デザート・サファリほどドバイらしい体験ができるところはないだろう。ベドウィンの文化を知るだけでなく、その世界に没入するような体験ができる。ツアーは、空港の近くのホテルへの送迎もできるそうで、つまりドバイにステイせずトランジットで立ち寄っても、非日常体験がかなう。
●参加したツアー:プラチナム・ヘリテイジ主催
ベドウィンカルチュラルサファリツアー
https://www.platinum-heritage.com/
1人AED595(ホテルへの送迎料金別)
遊びの選択肢が多いドバイ
再びドバイの町へ。世界最大のショッピングモールであるドバイモールでランチを探してみる。訪れたのは、フードコートの「タイムアウト・マーケット・ドバイ(Timeout Market Dubai)」だ。洗練された雰囲気と評判の高いレストランが17軒入っている。
数々の受賞経験があるシェフが率いる伝統的なインド料理レストラン「MASTI」で気になるカレーやチキンなどをオーダー。タイムアウト・マーケット・ドバイでの値段は、他の店舗と異なる設定になっていることもあるそうだが、アジア料理や地中海料理など選択肢が多く、なおかつ便利なロケーションなので利用しやすさは抜群だ。
ドバイモールでは、噴水ショーを間近で見られ、大人でも迷子になるほど大きな館内には、ドバイ水族館&アンダーウォーター動物園やアイスリンクもあるという充実ぶり。
1200軒以上のショップのほか、数百もの飲食店が軒を連ねており、人気のデーツの店でちょっと高級なおみやげを購入してみたり、スーパーで大人買いしてみたり、ショッピングもレジャーも存分に楽しめる。
●ドバイモール
https://www.visitdubai.com/ja/places-to-visit/dubai-mall
営業時間:10:00~0:00 ※季節により変更あり
●タイムアウト・マーケット・ドバイ
https://www.timeoutmarket.com/dubai/
営業時間:(月)~(木)12:00~0:00、(金)12:00~1:00、(土)10:00~1:00、(日)10:00~0:00
ところでドバイでは、気軽にできるゴルフの打ちっ放しも人気だそうで、ゴルフのシュミレーションゲームができる「トップ・ゴルフ(Top Golf)」も人気のレジャー。ドリンクと軽食を片手に仲間や家族とプレイをしたり、リフレッシュしたりするにもうってつけだ。
たとえば家族がショッピングを楽しんでいる間に“ちょいゴルフ”をするなど、遊びの選択肢が多いドバイでは、個々の好みや目的に合わせて時間を有効的に使える。
●トップ・ゴルフ
https://topgolfdubai.ae/
営業時間:(月)~(水)10:00~17:00(1レーンあたりAED140)、17:00~2:00(AED200)/(木)10:00~17:00(AED140)、17:00~2:00(AED240)/(金)10:00~17:00(AED200)、17:00~2:00(AED240)/(土)9:00~17:00(AED200)、17:00~2:00(AED240)/(日)9:00~2:00(AED200)
旅の締めくくりはロマンチックに
ドバイ旅の締めくくりは、ビーチフロントのレストラン「ブッソラ(Bussola)」へ。昨日訪れたパームアイランドにあるリゾートホテル「ザ ウェスティン ドバイ ミナ セヤヒ ビーチ リゾート&マリーナ」内にあり、屋外にはヤシの木とプール、柔らかな照明に豪華さも融合したインテリアでじつにエレガント。ディナータイムにはサンセットを楽しみ、ロマンチックなひとときを過ごせる。
シチリアにインスパイアされた地中海料理、ピザやパスタ、肉・シーフード料理などを堪能できる。また、ラグジュアリーホテルのレストランとあって、スタッフもきめ細やかなサービスで迎えてくれるので、思い出に残るディナーを演出してくれるだろう。
●ザ ウェスティン ドバイ ミナ セヤヒ ビーチ リゾート&マリーナ
ブッソラ
https://www.bussoladubai.com/
営業時間:(月)~(金)ランチ12:00~15:00、(土・日)12:00~16:00/ディナー18:00~23:00
進化を続けるドバイ
ディナーのあと、午前3時前にドバイ国際空港を出発し、夕方17時半に成田に到着した。十数時間前まで砂漠でラクダに乗っていたなんて……。今回紹介したのはドバイのほんの一部だけれど、やはりタイパ最高。冒頭に書いた通り1泊4日という短期間でも、満足度の高い旅ができる。
経済的豊かさのあるドバイは、「女性の一人旅が安全にできる都市ランキング」(2023年、InsureMyTrip社の調査)の1位にランクインするなど、夜でも外を歩けるほど治安がいい。世界中から観光客やビジネス客が集まっており、リッチにもリーズナブルにも楽しめる。
2月に訪れたとき、オープンしたばかりのワン・ビール(One Za’abeel)という2つの建物があった。一方は「シロ・ザビール(SIRO Za’abeel)」と「ワン&オンリー ワン ザビール(One & Only One Z a’abeel)」というホテルが入っており、もう一方はレジデンス棟になっている。2つの建物は世界一の長さ(230メートル)のキャンチレバーで繋がれ、その部分にプールやレストランなどの施設が配置されるそう。もはやGoogle mapが追い付かないほど、新しい店や建物が続々とできている。
広大な砂漠あり、ビーチリゾートあり、ギネス記録を持つ建造物もあるというコントラストやこの国の成長スピードは、ビジネスパーソンの活力となる刺激を与えてくれるはずだ。
取材協力:ドバイ経済観光庁
Text:Tomoko Komiyama