スーツ
すべてユニクロ。賢くリーズナブルに装う令和のビジカジスタイルvol.2
2024.08.13
いまや日本国内のみならず、海外でも厚い支持を集めるユニクロ。適度にトレンドを押さえたカジュアルベーシックなイメージを抱く人は多いだろうが、実はビジネスシーンに適したドレスアイテムも豊富に展開している。そこで、オール ユニクロ製品で、夏から初秋に向けたオンスタイルのコーディネートを組んでみた。賢く時代を生き抜く現代のビジネスパーソンにとって、ユニクロという選択肢もビジネスウエアのニュースタンダードとなる。
本企画を担当したスタイリストの仲唐英俊氏いわく「ユニクロ的“アメトラ”スタイル」がこちら。ネイビーブレザーを主役に、ボトムスにはベージュのワイドパンツを合わせた、まさに王道的アメリカントラッド。それを、インナーやアクセサリーも含めて、すべてユニクロのアイテムだけで構成した。
ブレザーは、東レとユニクロが共同開発した軽量、ストレッチ性、速乾性を併せ持つ“感動”シリーズのアイテム。メタルボタンやセンターベントなど、オーセンティックなアメリカントラッドマナーを踏襲しつつ、いわゆる「マディソン」タイプと呼ばれるボックスシルエットではなく、程よくシェイプさせたレギュラーフィットで現代的に仕立てた。ボタンもあえて3つボタン段返りではなく、シンプルな2つボタンにすることでON/OFF問わない汎用性を高めている。かつてのレプリカを作るのではなく、こうした時代性を意識した柔軟なアレンジもまた、ユニクロの得意とするところである。
絶妙なピッチ幅のストライプシャツは、アイロン要らずの「スーパーノンアイロンジャージースリムシャツ」。前述した巧みなアレンジという点では、こちらのシャツもまた、胸ポケットをIDカードやパスポートが収まるよう少し大きめに設計されている。シルクネクタイは右上がりの英国式ストライプ。カラーは、ビジネスに不可欠な誠実な人柄を印象付けるブルーをチョイスした。ちなみに、アメリカの大統領が好んで身に着ける赤色のネクタイは、パワーや情熱をアピールする効果も。シャツやジャケットを含めたVゾーンで見せる知的なテクニックは、実に奥が深いのだ。
ボトムスには、腰まわりにタックを入れたストレートシルエットのパンツを選んだ。ウエストゴム&ドローコード仕様でリラックスしたはき心地だが、ベルトループ付きなので夏場にシャツ1枚でもだらしなく映る心配もない。ベルトは前回も紹介した「イタリアンレザーベルト」のメッシュタイプ。ユニクロが推す自信作というだけあって、上質な素材使いと編み込みの表情、さらにアンティーク加工を施したバックルなど、実に手の込んだ作りとなっている。
“すべてユニクロ”と謳()うたっている以上、アイウェアも当然ユニクロ製だ。優しさと知性を醸すボストン型で、フレームには顔なじみのいいオリーブ(べっ甲)を選択。ちなみに、ボストン型以外にも、ウェリントン、スクエア、ラウンド、オーバルキャットなど主要なフレームデザインを網羅。紫外線を99%カットするUV400レンズ付きのサングラスも豊富で、プライスはすべてのモデルが税込み1990円というのには驚かされる。
新しいファッションスタイルに挑戦する際、多種多様なアイテムを豊富に取りそろえ、なおかつコストパフォーマンスに優れたユニクロは実に有り難い存在だ。いつものスーツスタイルを手軽に変えるなら、まずはユニクロに足を運ぶのが近道と言えよう。
問/ユニクロ 0120-170-296
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Ryohei Oizumi
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Tetsuya Sato