週末の過ごし方

思い出の街、麻布十番で見つけた新しい宝物。
『中国料理 永新』で熱々春巻きをガブリ!
マッチと町中華。【第18回】

2024.08.23

思い出の街、麻布十番で見つけた新しい宝物。<br>『中国料理 永新』で熱々春巻きをガブリ!<br>マッチと町中華。【第18回】
「僕は猫舌じゃありませんからね(笑)」と言いながらも春巻には警戒。こんがりと揚がった皮は、かじるとパリッと快音が。

どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。今回は、マッチのデビュー当時の思い出がたくさん詰まった麻布十番で「最古参の中華」と言われる『中国料理 永新』へ。勝手知ったる街で出合った味わい深い美味に、マッチの少年時代の記憶の扉が開く!?

今年の719日はマッチにとって、忘れられない日となった。自身の60歳の誕生日を目がけて“還暦ダッシュ”と銘打ったツアーを敢行したこの1年。超満員の日本武道館で『Thank you very マッチ 60th Anniversary』と題したライブの千秋楽を終えたマッチの表情は、若々しくさらにパワーアップしているようにも見えた。

「この1年はとにかくそこ(武道館)をモチベーションにして突っ走ってきました。ステージに出たときにファンの方が赤いペンライトで迎えてくれて、ここまでやってこられたことの感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。ひとつの区切りというのもそうだけれど、まだまだやるぞ!という思いがますます強くなりました」

大好きなお酒も控え、メンタルも体力も万全に整えて挑んだ最高の晴れ舞台。お気に入りのサングラス姿で颯爽(さっそう)と麻布十番の『中国料理 永新』に現れたマッチは「ちょっと我慢していたからね(笑)。今日のビールはいち段とおいしい気がする!」とうれしそうに店内へ。

レッスン場が近かったこともあり「子どもの頃からなじみのある場所」という麻布十番だが、この店を訪れるのは初めて。いまは多くの飲食店が立ち並ぶ麻布十番だが、2000年に地下鉄が開通するまでは“陸の孤島”と呼ばれた時代もあった。1961年に創業し、現在は2代目店主の楊 伸峰さんが厨房に立つこのエリアきっての老舗には、ここにしかない味を求めて地元はもちろん、遠方からもわざわざ訪れるファンも珍しくない。

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「夏のビールは最高! 夏じゃなくても最高だけどね(笑)!」と上機嫌なマッチ。お気に入りのサングラスが夏気分を盛り上げる!
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最初の一杯を景気良く飲み干して。「ぷはーっ」という声が聞こえてきそう。

「デビューしたての頃もいまもずっと通っている街。初めてのお店だから、新しい“出合い”を祝して、まずはビールで乾杯だね(笑)」と瓶ビールと大好物のピータンを注文する。すぐに運ばれてきた瓶ビールをぐいっと飲み干し、サングラス越しに満面の笑み。

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皮蛋1800円。「ピータンは苦手な人もいるけれど、僕は大好き! ビールにもよく合うし、メニューにあるとテンションが上がります」
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ピータンには洋がらしを付けるのがマッチの定番。「ねっとりとしたコクが増してさらにおいしく感じられます。絶対おすすめ!」

「これ、いいでしょう。60歳になったことだし、たまには渋いマッチも見てもらおうと思って」と笑う。ピータンに洋がらしを付けながらビールをおいしそうに飲むマッチは、麻布十番でどんな少年時代を過ごしたのだろう?

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2代目店主の楊さんと車の話で盛り上がる。「料理への愛情もすごく伝わってくるけれど、たぶん車のほうが好きですね(笑)」と突っ込むマッチ。

13歳から18歳くらいまで、地元とここと仕事場を行き来するような感じでした。夏になると毎年、納涼祭りがあるんだけれどいまほど混んではいなかったな。お祭りの特設舞台で(川崎)麻世のバックで踊ったこともあるよ。あとはレッスンの合間によっちゃん(野村義男)と鳥居坂でスケボーしたりね。いまじゃとても考えられないけれど、あの頃は人も車もそんなに多くなかったし、街全体が遊び場という感じで。商店街の角にある『こばやし玩具店』は大常連だった(笑)。よくプラモデルを買いに行っていたのが懐かしいです」とマッチらしいちょっと“やんちゃ”なエピソードが続々と。揚げたての春巻を運んできた楊さんが「昔はよく近藤さんのうわさを聞きましたよ(笑)」と冗談めかして言うと「いやいや(笑)」と少し気まずそうに照れ笑い。

「でも、いまもご飯を食べるとなると麻布十番ということが多いかな。『あべちゃん』のやきとんをテイクアウトしたり、あと焼き肉の『三幸園』も大好き。もう、十番の好きなところも思い出も語り尽くせないです」

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お待ちかねの春巻(1200円)が登場! 餃子は醤油と酢とラー油を同量ブレンドするマッチ。「春巻きは、まずお酢とラー油。そこに少しずつ練り辛子を加えます。ちょっとずつ入れて味変を楽しむのもいいよね」
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「皮はパリッとしているんだけれど、もちもち感もある。中の餡(あん)も熱いけど、一気にがぶりといきたくなるおいしさ!」

さて、食べるぞと腕まくりをして春巻きにかじりつくマッチ。熱さに苦戦しながらも「これはがぶっといったほうが絶対においしいから」と用心深く、ひと口ふた口。「たけのこや椎茸のうまみが餡にたっぷり。揚げ具合も油切れがすごくよくてパリパリです」とテンションがますます上がる。

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ねぎそば1350円。『永新』名物といえばこれ! 鶏ガラがメインのスープに苦みを丁寧に除いたネギがたっぷり。
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「想像はよりもあっさりしているけれど、後からうま味がしっかり乗ってくる感じ。ひと口すするたびにクセになる!」

続いて、名物のねぎそばが登場。1杯にネギ1本以上を使うと聞いて「仕込みにかける手間を考えただけでもありがたさが増します」とスープに口をつける。鶏ガラをメインに豚の切り落としなどで出汁を取った上湯スープと絡みやすくするために、中細のストレート麺をゆでる前に軽くもむのもおいしさのポイントだ。

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「麻布十番にこんなおいしい麺があったとは。これはリピート確実です」。“十番マスター”のマッチもねぎそばのとりこ!

「ねぎのくさみとか苦みがまったくない。滋味深くて、やさしい甘みがあって僕がイメージしていた味とは全然違う!」と驚きながら夢中で麺をすするマッチの姿からも、そのおいしさが伝わってくる。

「大好きな麻布十番でまたひとつ宝物を見つけた気分。子どもの頃の自分にもいい店があるから絶対に行ったほうがいいと教えてあげたいです」

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「本当においしかったです! いままでなんで来られなかったんだろう(笑)。ほかにもいろいろ味わってみたいので、近々、絶対にお邪魔させていただきます」
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爪楊枝姿がサマになる60歳。「前ほど量は食べないけれど、おいしいものは自然と胃袋が歓迎モードになるよね」

“原点の街”での新しい出合いに、喜びもひとしお。「麻布十番の行きつけリストに入れさせてくださいね」。そう店主に伝えて店を後にしたマッチは、夏の日に照らされる街並みを眺めて少しだけ懐かしそうに目を細めた。

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店前でチーム『永新』と記念撮影。「麻布十番の新しい魅力を再発見した気分。また大将が作る料理を食べにこさせていただきます!」

中国料理 永新
東京都港区麻布十番2-2-7
TEL/03-3451-3051
営/11:30~14:00LO、17:00~19:40LO
水曜日休み
24席

近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。

☆マッチさんのコンサート情報などはコチラ!

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NEWS!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!

ステッカー

マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!

Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera

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