スーツ
すべてユニクロ。賢くリーズナブルに装う令和のビジカジスタイルvol.5
2024.09.03
いまや日本国内のみならず、海外でも厚い支持を集めるユニクロ。適度にトレンドを押さえたカジュアルベーシックなイメージを抱く人は多いだろうが、実はビジネスシーンに適したドレスアイテムも豊富に展開している。そこで、オール ユニクロ製品で、夏から初秋に向けたオンスタイルのコーディネートを組んでみた。賢く時代を生き抜く現代のビジネスパーソンにとって、ユニクロという選択肢もビジネスウエアのニュースタンダードとなる。
正統派のスーツスタイルからスタートした本連載。最終回は、肩肘の張らない現代的なビジカジスタイルで締めくくりたい。残暑が長引く近年では、9月に秋冬向けのジャケットをはおるには時期尚早だ。そこでおすすめしたいのが、オックスフォード地の長袖シャツ。同じドレスシャツでもブロードより、織り面が目立つオックスフォード生地は、立体感のある表情とふんわりとした肌触りで一枚で着てもサマになる。
今回使用した「オックスフォードシャツ/ストライプ」は、クラシカルなボタンダウンシャツを徹底的に研究したうえで、オリジナルパターンで製作した一枚。肩幅や身幅などのサイズ感はそのままに、リラックス感のある現代的なシルエットに仕上げた。糸のより方ひとつにもこだわり、しなやかさと丈夫さを追求したもので、ON/OFF問わず活躍してくれる。
パンツは、本連載のvol.2、vol.3でも紹介した「タックワイドパンツ」のブラックを合わせた。ウエストゴム&ドローコード仕様のリラックスしたはき心地だが、ユーザーの声を受けて股上をやや浅めに調整。スッキリとしたストレートシルエットが際立つことでビジネスシーンにもなじむ。ベルトはメッシュベルト(「レザーワイドメッシュベルト」)で、程よいカジュアル感を加味。革に特殊な加工を施すことで、質感や表情をビンテージライクに仕上げた自信作は、新品でも使い込んだような味わいを享受できる。
こうしたシンプルなスタイルで、他と差をつけるのがいわゆる“こなし”のテクニックだ。肩に掛けたニット(「ラムVネックカーディガン」)は、あえてラフに結ぶことでこなれ感を演出。やや起毛感のあるウールの表情が顔まわりに優しいニュアンスを添えてくれる。着こなしのアクセントとしてだけでなく、クーラーの効きすぎたオフィスでは温度調整用のはおりとしてもひと役買ってくれるはずだ。シャツの袖まくりも含めたこうした“こなし”のテクニックを取り入れると、ベーシックなアイテムを使ってもぐっとおしゃれに見えてくる。
小物使いという意味では、アイウェアも外せない。今回選んだのは、ベースはボストン型で、上部が王冠のような多角形のクラウンパントフレーム。着ける人の顔の形を選ばないだけでなく、トレンド感や洒脱な雰囲気を演出できる。こちらのモデルは、紫外線を99%カットするUV400レンズを搭載。また、ブルーライトを約25%低減してくれるので、一日中パソコンのモニターを見つめるデスクワークから日差しの強い外回りまで、これ1本でカバーしてくれる。
ワンショルダーで背負ったバックパック(「ファンクショナルバックパック」)も当然ユニクロ製だ。15インチまで収納できるPCスリーブや表地の撥水加工、さらにクッション性と通気性に優れた背面構造など、機能性は申し分ない。ミニマルなデザインとスクエアなフォルムは、ビジネスウエアとも好相性。仕事だけでなく、週末のカジュアルスタイルにも使えることを考えると、税込み4,990円というコストパフォーマンスはもはや圧倒的だ。
働く場所や働き方が変容していく現代において、ビジネスウエアだってその例外ではない。常に時流を意識して、ユーザーの声に耳を傾けアップデートを怠らないユニクロは、ビジネスウエアにおいても新たな可能性を見いだしてくれた。リーズナブルでもきちんと装えて、おしゃれに見える。ずっと追い求めていたビジネスウエアの最適解が、すぐ近所のユニクロで見つかるかもしれない。
問/ユニクロ 0120-170-296
掲載した商品は税込み価格です。
Photograph: Ryohei Oizumi
Styling: Hidetoshi Nakato(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Tetsuya Sato