接待と手土産
「Maison KEI」のビスキュイ・ブルトン。
すべて実食! 自慢の手土産 #138
2024.10.03
三つ星シェフが手がけた素朴ながら洗練された焼き菓子。
ミシュランスターシェフと聞くだけで、やっぱりわくわくする。それは、想像を遥かに超える努力と真の実力があってこそ勝ち得たものだと誰もが知っているから。そんな苦難を乗り越えて2020年1月、本家フランスのミシュランガイドでアジア人初の三つ星に輝き、以降5年間快進撃を続けているのが「Restaurant KEI」の小林 圭シェフだ。最近ではザ・リッツ・カールトン東京のメインダイニングの監修を務め、虎ノ門ヒルズや銀座中央通りに立て続けにレストランをオープンするなど、日本でもその勢いはとどまることを知らない。
今回紹介するのは、そんな小林シェフの渾身のスイーツ「ビスキュイ・ブルトン」だ。2021年に和菓子の「とらや」とタッグを組んで静岡県御殿場にオープンしたレストラン「Maison KEI」と共に誕生したもので、フランス・ブルターニュ地方の郷土菓子が着想の源。美しくてのどかなブルターニュで初めて食べた焼き菓子が、素朴だけどすごくおいしくて、そのとき感じた幸福感をこのビスキュイに込めたのだそうだ。
シンプルな焼き菓子こそ素材の良しあしが大きく影響すると、塩の名産地であるブルターユの「フルール・ド・セル」と呼ばれるミネラル豊富なゲランドの塩に、風味豊かなフランス産ブラウンシュガーのカソナード、独特の香りと豊かなコクがある発酵バターなど、国内外を問わず厳選した素材をそろえた。
シンプルなクッキーだからこそ、あえて噛みごたえのある厚さに仕上げ、サクッ、ホロッという食感に。確かに、この食感のインパクトと、上質な発酵バターのふくよかな香り、ほどよい甘さと塩味の味わいのバランスがなんとも素晴らしくて、もちろん1枚では到底収めることができず、つい2枚、3枚と手が出てしまう。
華やかなミシュラン三つ星の小林シェフだが、料理を作るうえで一番大切にしていることは、素材の持ち味を大切にした素直においしいと思える料理。高級さを追い求めるのではなく、記憶に残る料理を作ることだそう。
とはいえ、さすがの三つ星シェフ、KEIというロゴが印字されたシックなシルバーの缶に、ヨーロッパの石畳を思わせる小ぶりで食べやすいスクエア型クッキーが、整然と並べられ、上質感と素朴さをうまく共存させている。カジュアルにも、フォーマルにも胸を張って贈ることができる。そもそもいま最も注目のシェフのスイーツをもらってうれしくないわけがない。人に会うことが多くなるこれからの季節、きっと大活躍してくれるに違いない。
Maison KEI(メゾンケイ)
静岡県御殿場市東山527-1
営業時間/11:30〜15:00、17:30〜21:00
※オンラインストア(不定期販売)、東京・銀座「ESPRIT C. KEI GINZA」でも購入可能
定休日/火曜・水曜
価格/ビスキュイ・ブルトン27枚入り5200円、6枚入り1100円 ※税込み・送料別
問/0550-81-2231
https://www.maisonkei.jp/maisonkei/