特別インタビュー

町田啓太、動き続ける日々。

2025.05.16

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気鋭の俳優とミニ クーパー SEの2025年

撮影スタジオに用意されたミニクーパーSEの前に現れた町田啓太は、いつもより軽やかでしなやかに見えた。ミニクーパーの周りを歩き、シートに座り、行き届いた室内デザインを眺め称賛するその姿は、心なしか弾んでいた。

この撮影の5日前、町田は、まさにミニクーパーの生まれ故郷であるイギリスから帰国したばかりで、ひとつ重荷を下ろしたような感じでもあったのだろう。

昨年来、町田は社交ダンスの世界を描いた映画『10DANCE』(原作/井上佐藤 監督/大友啓史 2025年12月 Netflixにて配信予定)の収録に臨んでいた。同じくダンサー役の竹内涼真との共演で、社交ダンスの本場ブラックプールでの今回のロケは、その最後の撮影だった。

2週間に及ぶ英国滞在で、つかんだ手応えは小さくなかったのだろう。インタビューが始まると、渡英の体験を含め、この1年間に俳優として得たものがいかに大きかったかがすぐに伝わってきた。

「ロンドンに立ち寄ることもなく、ずっとブラックプールに滞在していたんですが、向こうでなきゃ撮れないもの、空気感が確実にありましたね。現場は常にプロフェッショナルな感じで、時間管理にしても、環境面がよりきっちりしていた。また、集まってきていたダンサーはプロアマ問わず世界ランカーのすごい方々で、サポート・アクターたちの所作など、ずっと刺激を受けっぱなしでした」 

約15年の空白を経て、ダンスのフィールドに戻ってきたことにやはり感慨はあったのだろうか。

「僕は、プロのダンサーへの願望や夢は諦めて、俳優業でということでやってきましたが、34歳にしてダンスの役が巡ってきました。確かにダンスで大舞台に立つという意味では感動もあり、年齢的にもダンサー役はラストチャンスだなという思いもありました」

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もっとも、町田が慣れ親しんできたダンスと社交ダンスはまったく違うものだったという。

「たとえば日本舞踊とクラシックバレエぐらい違うまったく別のものです。もちろん、リズム的なことや身体の動かし方で少し通ずるところはありますが、技術的にはまったく違う。4、5カ月の準備期間ではいくらなんでも無茶じゃないかと思う一方で、役者としても、町田個人としても、それをおいても飛び込む価値はある、得られるものが絶対にある、そう思ってやりきった感じでした」

ブラックプールでの滞在中には、もうひとつ気を使わなければならないことがあった。食事だ。

「最初はホテルで毎朝お決まりのイングリッシュ・ブレックファーストをいただいていたんですが、身体づくりをする必要もあったので、いろいろとお店も調べて調整しました。というのも、燕尾服は僕仕様で全部採寸しているので、ピタピタでボディラインが出る。少しでも痩せちゃうとぶかぶかになるので体形維持は絶対でした」

ある意味、腹をくくって覚悟を持って臨んだ作品だったが、撮影が進むにつれ、思いもしないような高揚感も生まれていたという。

「竹内君のダンスを見てても、技術うんぬんでなく湧き出てくる熱量みたいなものに刺激されました。原作の持つパワー、ずっと一緒にやりたいと思っていた監督との撮影、そんなものが入り混じって、終わってみたら想像の及ばない領域に到達していたという感じでした」

町田は、昨年、もうひとつ大きな仕事を全うしている。『グラスハート』(原作/若木未生 監督/柿本ケンサク・後藤孝太郎 7月にNetflixにて配信予定)だ。準備に約1年、撮影に8カ月をかけた大作だが、町田はここでギタリストを演じている。楽器経験はまるでなかったが、プロのギタリストについて猛特訓し習得した。「なんちゃって」でもよかったのでは、と向けると町田はこう返してきた。

「それをやると自分に自信がなくなるし、思い切りお芝居ができなくなるので、きちんとやりたかったんです。プロになるのは無理ですが、見る人が見ればわかっちゃうので、限られた期間でできるだけプロに近づく努力はしたかった」

1年以上、町田は現場でも自宅でもギターを片時も手放さなかった。その果てなき鍛錬をいとわず、がむしゃらに立ち向かっていくのがまさに町田啓太の本領であり、生き方なのだ。

「苦労した作品が次々と配信されるのですごく楽しみ。ただ、そんな果実を味わいつつも、また次に向けて新しい種をまいて育てていかなければならないんですけどね」

新たに挑むべきテーマはすでにいくつも頭に浮かんでいる。町田啓太は考え、準備し、動き続ける。

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車名:MINI クーパー SE
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3860×1755×1460㎜、ホイールベース:2525㎜
駆動方式:FWD
車重:1640kg
乗車定員:4名
モーター:交流同期電動機
最高出力:160kW(218ps)/7000rpm
最大トルク:330Nm/1000~4500rpm
タイヤ:205/50R17
車両本体価格(消費税10%込):¥5,310,000

問/ MINIカスタマー・インタラクション・センター 0120-3298-14
(平日9:00~19:00/土・日・祝9:00~18:00/年末年始を除く)
https://www.mini.jp

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町田啓太(まちだ・けいた)
1990年生まれ。俳優、劇団EXILEメンバー。映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』『太陽とボレロ』『ミステリと言う勿れ』、テレビドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)、『ダメな男じゃダメですか?』(テレビ東京)、『unknown』(テレビ朝日系)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK)など話題作に多数出演。7月にはNetflixシリーズ『グラスハート』、12月にはNetflix映画『10DANCE』(W主演)が控える。テレビ東京ドラマ9『失踪人捜索班 消えた真実』には主人公の城崎達彦役で出演。放送は4月11日(金)夜9時スタート。

ショートトレンチ¥457,600、シャツ 参考商品、パンツ¥116,600、シューズ¥113,300、ベルト¥69,300/すべてトッズ(トッズ・ジャパン 0120-102-578

掲載した商品はすべて税込み価格です。

「アエラスタイルマガジンVOL.58 SPRING/SUMMER 2025」より転載

Photograph: Yuji Kawata(Riverta Inc.)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: KOHEY(HAKU)
Text: Haruo Isshi

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