週末の過ごし方
大人のためのメンズ美容。
第2回 身体と頭皮のニオイケア
2025.08.20
「メンズ美容」を語るうえで、重要視したいのが“ニオイケア”だ。どんなに肌や髪をきれいに整えても、ふとした瞬間に不快なニオイを漂わせてしまえば、その努力は台無しになりかねない。汗や皮脂、さらには加齢による変化など、原因はさまざまだが、正しいケアを知り、日常に採り入れることで印象は大きく変わる。そこで、モデルであり美容のプロの櫻井貴史さんと諸橋幸太さんに、ニオイケアの基本と、実際に使ってよかったおすすめアイテムを教えてもらった。
――夏は、電車やエレベーターで体臭が気になる人に出くわすことが増えますよね。毎日シャワーやお風呂に入っているだけじゃ、ニオイケアとしては不十分なんでしょうか?
諸橋幸太(以下、幸太) 人それぞれだけど、体臭って入浴だけじゃなくて「睡眠・運動・入浴」の3つがちゃんとできていれば、だいぶ変わってくると思いますね。
櫻井貴史(以下、櫻井) 特に運動は大事。ニオイの原因って代謝の低下が関係していることも多い気がするので、身体を定期的に動かすことがベースになるんですよ。ジムじゃなくても、散歩から始めるだけでも違いを感じられるはず。ニオイケアって、まずは身体を動かすことから始まるんじゃないかな。
幸太 あとお風呂ね。シャワーだけで済ませがちな夏だけど、やっぱり湯船にちゃんと浸かると、睡眠の質も変わってくる。僕も暑いとついシャワーにしちゃうけど、意識して湯船に入るようにしています。入浴剤を入れると肌当たりもやわらかくなるし、香りでリラックスできるし、一石二鳥です。サラ湯だと湯冷めしやすいし、肌に刺激が強いこともあるので、入浴剤はマストですね。
櫻井 ストレスも体臭に影響する印象があります。男女問わず、強いストレスを感じているときって、独特なニオイがすることもあるんですよね。忙しいと生活のリズムも乱れがちだし、心と身体、両方に負担がかかって、それがニオイとして表れることも。だから、まずは生活リズムを整えること。健やかに過ごすことが、結果的にニオイケアにつながっている気がします。
――年齢を重ねると、いわゆる「加齢臭」や「ミドル脂臭」も気になってきますよね。
櫻井 加齢臭やミドル脂臭に関しても、僕は運動が有効だと感じています。ジム通いやジョギングをしている友人は、あまりニオイが気にならない印象です。加齢臭の原因になる「ノネナール」って、皮脂が酸化することで出るんですけど、運動で代謝を上げることで肌のターンオーバーを保ちやすくなり、結果的にニオイ対策にもなると思います。
あとは、食事も大事。動物性脂質ばかりだと皮脂の分泌が増えて酸化しやすくなるので、食べすぎに注意して、バランスの良い食生活を心がけたいですね。
幸太 そうそう。脂って特に頭皮にたまりやすいから、頭皮ケアもちゃんと意識してほしい。シャンプーって、髪を洗うんじゃなくて「頭皮を洗うもの」なんですよ。美容室でも髪をゴシゴシ洗わないですよね? 頭皮をしっかり洗えば、泡が自然と髪にもついて、汚れを落としてくれるから。
それから、「湯シャン」も大切。シャンプーの前にお湯でしっかり汚れを落としておくと、泡立ちもよくなる。整髪料をつけてる人なんかは、ここを丁寧にやるだけでシャンプーの効果が全然変わってくるんです。湯シャンしてから、シャンプーが基本ですね。
――ちなみにスカルプブラシでガシガシ洗ってたら、逆に頭皮が痛くなっちゃったことがあるんですが……。
幸太 ガシガシはだめですね。スカルプブラシって、硬さがある分、力を入れすぎると頭皮を傷つけちゃうんですよ。使うなら、やさしくマッサージするように。トリートメントのときに、なでるくらいの力で使うのがおすすめです。頭皮に適度な刺激を与えるくらいがちょうどいいですね。
また、頭皮ケアはニオイの発生を抑えるだけでなく、白髪や抜け毛など年齢とともにあらわれる変化の予防にも効果的。正しいシャンプーの後に、頭皮用美容液などをプラスするのもおすすめです。毎日のルーティーンに取り入れれば、清潔感も髪の健康もキープできます。
櫻井貴史さんおすすめアイテムはこちら
1)【ウカ】イズ シャンプー/コンディショナー フォー オールヘアタイプ
アミノ酸と植物由来の界面活性剤が、きめ細かく軽い泡で髪をやさしく洗い上げてくれるシャンプー&コンディショナー。「髪が柔らかく切れやすい自分でも、仕上がりが軽やかで、ボリュームも出しやすい印象です。ノーマルとダメージヘア用がありますが、どちらも重くならず自然な仕上がり。特にノーマルタイプはボリュームを出したい人におすすめで、短髪の男性にはぴったりです。香りも強すぎず、通年快適に使えます。環境に配慮した成分なのも安心」(櫻井)
400mL シャンプー¥4,620・コンディショナー¥4,950/ウカ(tokyo-office@uka.co.jp)
2)【プラウドメン】スーツリフレッシャー
気になるニオイを消して、ほのかな香りを残す衣類用消臭フレグランス。「服のニオイを消しつつ、ほのかに清潔感のある香りをまとえます。出張や前日の会食で服にニオイがついてしまったときにこれ一本で対応できます。バッグに入れておけば安心です。4種類の香りがありますが、どれも強すぎず使いやすいですよ。加齢臭対策としても使いやすく、シワ伸ばし効果もあるのでおすすめです。小さいサイズもあるので持ち運びにも便利ですね」(櫻井)
200mL ¥2,200/プラウドメン(プラウドメンお客様相談室 0800-1111-636)
3)【シスレー】ヘア リチュアル フォーティファイング セラム フォー ザ スカルプ
ミネラル、ビタミン、植物エキス、タンパク質などの有効成分を高密度に配合した頭皮用美容液。髪にボリュームを与え、使うほどに強く美しい髪へと導いてくれる。「健康な髪を育てるための“先回り美容”。白髪や抜け毛が気になる方にもうれしいアイテムです。僕は3〜4日に1度、お風呂上がりのタオルドライ後に使っています。頭皮に垂らしてやさしくマッサージしてからブロー。ベタつかず、スタイリングに影響が出ないのも気に入っているポイントです」(櫻井)
60mL ¥30,800/シスレー(シスレージャパンcustomerservicejp@sisley.fr)
諸橋幸太さんおすすめのアイテムはこちら
4)【オーバイエッフェ】スキャルプシャンプー クール
頭皮を中心によく泡立ててから、泡パックをし洗い流すことで、汚れを落としながら頭皮ケア、トリートメントまで適う3 in 1シャンプー。「オールインワンタイプのものは正直“ギシギシするかも”と思ってたんですが、しっとり仕上がって驚きました。泡立ちもよくて、スッキリさも◎。夏にぴったりの使い心地です。メントール感が強すぎず、女性ウケのいいさわやかな香りなので、シェア使いにもおすすめです」(幸太)
200mL ¥3,080/オーバイエッフェ(03-5774-5565)
5)【ボッチャン】コロンスティック 練り香水
ナチュラルなシトラスフォレストの香りが漂うコロンスティック。「汗をかいた後にシャワーを浴びてサラッと塗るだけで、清潔感が出るし、リフレッシュにもなります。ニオイの強いものを使いすぎると、かえって汗や体臭と混ざって逆効果になることもあるので、“ほのかに香る”くらいがベスト。『香水はちょっと……』という人にもおすすめです」(幸太)
24g ¥2,750/ボッチャン(アンド・コスメ mail@botchan.tokyo)
6)【アスレティア】スカルプ リフレッシュローション
汗をかきやすい頭皮を健やかに保つスカルプローション。スプレーしてもむだけで、汗をかいてベタついた頭皮をリフレッシュしてくれる。「シュッとひと吹きでリフレッシュできて、コンパクトで持ち歩きやすい。特に夏は頭皮に汗をかきやすいので、外出先でのケアにぴったりです。頭皮ケア成分も入っていて、ジェンダーレスな香りとデザインも好印象」(幸太)
100mL ¥3,300/アスレティア(0120-220-415)
7)【アンプルール】ナイトリペア スカルプ&ヘアエッセンス
独自の「トリプルボンディングテクノロジー」が、エイジングやカラー、紫外線で内部がスカスカに切れたダメージ毛を寝ている間に芯まで修復してくれる頭皮・髪用エッセンス。「タオルドライ後の髪にシュッと吹きかけて乾かすだけで、髪の補修と頭皮の保湿ケアが同時にできる優れもの。フケや乾燥のケアにも効果的。皮膚科学研究に基づいて開発しただけあって、早速愛用していますが調子がいいです」(幸太)
100mL ¥6,600/アンプルール(アンプルール お客様窓口 0120-987076)
お話を伺ったのはこのおふたり!
モデル・美容ジャーナリスト
櫻井貴史さん(左)
各種美容メディアにて執筆、審査員、コメンテーターとして活躍。最新の美容理論から実践的ケアまで幅広く発信。日本一雑誌の表紙を飾った日本人男性ファッションモデルとして知られる。
モデル・美容家
諸橋幸太さん(右)
香港や台湾、 タイなどアジアを中心にCMや広告などに出演。日本ではファッション雑誌やMCなど、モデルだけにとどまらず活躍中。また、2015年より本厚木でカフェ併設のヘアサロン「BEACH TREE」を経営。日焼けした健康的な肌がトレードマーク。
Photograph: Yuko Yasukawa
Edit & Text: Mayu Yamamoto