週末の過ごし方
桜中学の同窓会は「中華飯店 一番」で決まり!?
絶品中華を食べながら思い出話に花が咲く!
マッチと町中華。【第25回】
2025.09.12
どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。今回、マッチが多忙の合間をぬって訪れたのは、遠方から訪れる町中華ファンも多いという荒川区の『中華飯店 一番』。じつはこのエリア周辺は、マッチのドラマデビュー作でもある「3年B組金八先生」のロケ地としても有名。懐かしい思い出を振り返る“はじまりの場所”へ、ただいマッチ!
昭和ノスタルジーが漂う荒川区の尾久本町通り商店街。9月も半ばだというのに猛暑日続きなこともあり道行く人もまばらだが、ここに店を構えて50年という『中華飯店 一番』には連日長い行列ができる。名実ともに“下町No.1町中華”の呼び名が高い店に訪れたマッチはピンクのポップな柄シャツを着こなし、いつも以上にうきうきとした様子。
「今年の夏休みは大好きな南紀白浜で、ばっちりリフレッシュしてきた」とのこと。久しぶりの町中華撮影とあって、食欲ギアも全開の様子だ。空腹で待ちきれないとばかりにさっそく入店。着席すると「休みのあいだは海でたくさん遊んだ。仲間と餃子パーティーしたりね。冷凍の餃子をいっぱい買って、みんなでわいわい焼いて食べたのが楽しかったなぁ」と話しながら壁に貼られた短冊メニューをチェックする。
ジョッキグラスに注がれたビールで喉を潤しながら「五目あんかけは絶対食べたいし、名物の海老春巻きも外せないよね。夏休みの思い出を振り返りながら餃子も食べよう(笑)」
と、てきぱき注文。少し悩んだあとに「ニラそばも捨てがたい。ダブル炭水化物だけどなかなか来られないお店だからね」と追加でオーダーする。
荒川と言えば、マッチがドラマデビューを果たした『3年B組金八先生』のロケ地。久しぶりの“凱旋”が町中華の撮影とは思わなかったと笑いながら、懐かしいねとつぶやく。
「あの頃は毎週、荒川界わいに撮影で来ていたから。教室の撮影はセットだったけれど、みんなでバスに乗って堀切まで行ってた。オープニングで武田(鉄矢)さんが3年B組、と号令をかけると生徒がわーっと走っていくシーンがあるんだけれど僕はつい出しゃばっちゃったりしてね(笑)。修学旅行みたいで楽しかったな。そうそう。ドラマがクランクアップしてから本当の修学旅行にも行ったのを思い出した。生徒役のみんなと大人のスタッフも一緒に。
あの頃は、仕事先というイメージだったけれど、こうして大人になって来てみるとドラマに描かれていた世界と変わらない人情が残っていて、いい町だなと思います。ここで50年も愛されつづけているのだから、絶対おいしいに決まっているよね」と期待をふくらませるマッチのもとに大ぶりの焼き餃子が。
いつもどおり、そのままがぶりと頰張ると「これはとんでもなくおいしい!」と目を大きく見開く。「全体が調和しているのにとてつもなく肉肉しい」という餃子は、国産豚の肩ロースを使い、肉を粗めに挽いているのがおいしさの理由。
なにもつけなくてもパンチがあるとペロリ平らげ、お次は五目あんかけ焼きそばを。白菜や海老、イカ、しめじのほかにマッチが大好きなきくらげもイン。「肉厚なきくらげにホントに目がないんだよね」と言いながらうれしそうに麺をすすり「この店に来たら、餃子とこれはマストだね」と汗をかきながら豪快に食べ進める。
店主の鈴木将則さん自慢の、名物料理のひとつが海鮮春巻き。からりと色づいた衣の中にはホタテとイカ、海老がぱんぱんに詰まっていて、これにはマッチも思わず拍手。「山椒塩で食べると具材の甘みが引き立ちます。大将、これは本当に最高。おかわりください!」と言われ、鈴木さんも「春巻きは仕込みも大変なのでうれしいです」と照れ笑い。後追いの辛さがクセになるとニラそばも堪能し、「一番の店名に偽りなしです」と大満足。
親子2代で守りつづけてきた“一番”の味。今ではネットの情報などを見て海外から訪れる人も少なくないというが「せっかく来てくれたお客さんに笑顔で帰ってもらうため」に鈴木さんは休憩時間や休日を返上して仕込みにいそしんでいる。
「一番、って簡単なことじゃないですよね。僕も若い頃はなにをしても勝手に順番をつけられる世界で生きていたので、常に一番というポジションを意識するというか、イヤでもしなくてはならなかった。今は、もう一番であることにこだわりはなくなりました。これは年齢を重ねてラクになったことのひとつかな。クルマのレースはまた別で、これはもちろん一番しかありえない。そのためにチーム一丸となって同じ目標に向かう努力をする。
町中華もご家族で経営されている店が多い印象ですが、それこそチーム一丸だなといつも思います。お父さんも女将さんもみんなで協力して、お客さんにとって“一番”の味をつくろうという真心を感じるお店にぐっときます。焼き餃子もあんかけ焼きそばも春巻きもニラそばも“一番”のプライドをすごく感じました。もう、僕自身はレース以外の順位にこだわらないと言ったけれど、強いて言うなら釣りは一番大きいのを釣りたい(笑)。来年こそ日本海で命がけのマグロ釣りをするので、大物が釣れたらここで祝賀会をしに来ます!」と笑った。
中華飯店 一番
東京都荒川区東尾久2-17-14
TEL/03-3892-7090
営/11:00~15:00(L.O. 14:30)、17:30~22:00(L.O. 21:00)
月曜休み
16席
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
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<マッチと町中華。>ステッカーが完成!
マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera