週末の過ごし方
ファッションの秋? いやいややっぱり食欲の秋。
日暮里『中華料理 勝楽』で老舗の味をいただきマッチ!
マッチと町中華。【第26回】
2025.09.19
どんなときでもギンギラギンに人生を謳歌(おうか)するマッチがあの町、この町の味アリな中華料理店をめぐりながら、ラーメンをすすり、ときにはビールを飲みながら餃子を頰張る、わんぱくな大人のための食の探訪記。“食欲の秋”の気配を感じながら、マッチが訪れたのは歴史ある日暮里繊維街にほど近い『中華料理 勝楽』。元祖ファッションの町で50年愛されつづける老舗の名物料理をいただきマッチ!
手芸ブームが再燃し、推し活グッズを手づくりする人が急増するなか、今ふたたび注目を集めているのが手芸用品や生地などを扱う90もの商店が並ぶ日暮里繊維街。「はじめて来たけれど、こういう場所があるんだね」と興味深そうに町並みを眺めるマッチ。その繊維街から1本入った裏通りに店を構えるのが、1975年に創業した『中華料理 勝楽』だ。
新潟県出身の初代が始めた店は現在、妻と息子夫婦の4人で切り盛り。オレンジ色のカウンターがレトロな雰囲気を醸し出しており、まるで映画のセットのような趣がある。一家総出でのお出迎えに、マッチは恐縮しながら着席。
2代目店主の金内勝弘さんにおすすめを訪ねながら「少しだけお時間をいただきます」という餃子を先に注文する。皮が厚めで火が入るのに時間がかかるため、まず餃子をオーダーしてからビールをゆるゆると飲み、焼き上がりを待つというのが常連客のセオリー。
ランチは開店直後から満席になる人気ぶりで、ほかにもスパイシーな味わいが後を引くカレーや、真っ白の餡に覆われたビジュアルがインパクト大なあんかけチャーハンのファンも多数。「やっぱり町中華で食べるカレーには抗えないよね(笑)」とマッチもすかさず注文する。
かつては国内最大手のジーンズメーカーの本社が近くにあり、そこで働く人たちが“社食”のように通っていたというエピソードを聞きながら「僕もこの近くだったら、毎日来ちゃいます」とビールを片手に、早くもご機嫌。真夏の延長戦のような9月も終盤に差しかかり、ようやく秋の気配がそこかしこに。
「このくらいの季節はなんだかちょっと寂しい気持ちになるよね。今年は本当に暑かったけれど、バースデーライブで大好きな昭和の名曲をカバーさせていただいたり、楽しいこともたくさんあって、僕的には熱い夏でした。
『◯◯の秋』とよく言うけれど、だんだん涼しくなってくるとファッションが楽しくなってくるよね。若いときは私服でいるよりも衣装でいる時間のほうが長かったからファッションにハマったという記憶はあまりないかな。とにかく着替えやすいのが一番、みたいなね(笑)。このお店に来るまでのあいだに繊維街があって面白いなーと思った。スパンコールとかシースルーとかなんでもあるんだね。
ステージでも映画でも本当にいろいろな衣装を着させてもらって、その影響なのかどうなのか今の僕は派手なデザインの服に目が行きます。『マッチと町中華。』のスタイリングも好みど真ん中なので毎回楽しみ。普通こんな服着て町中華に来ないでしょ、っていうギャップがいいんだよね(笑)。今日着たベースボールシャツは、今年の秋の注目トレンドと言われているんだけれど、僕は野球少年だったのでなんとなく懐かしい気分。
もともとアクセを着ける習慣がないので服とか靴のインパクトで勝負したい。若い人がさらっとシルバージュエリー着けているのを見るとカッコいいなって思うけど、僕はお酒飲んでいるときに外して、そのまま忘れてきちゃいそうだから(笑)。最近、鮮やかなグリーンのシャツを買ったので早く着たいなとうずうずしてます」
ファッションの話に花を咲かせていると、ウワサのあんかけカニチャーハンが登場。想像していたビジュアルとイメージが違ったようで「えっ」と目を丸くする。白い餡をひとすくいして「ごま油の香りと蟹のうま味がたまらない」と食欲スイッチがオン!
続いて餃子が運ばれると、具材の一体感に「焼きたてはやっぱりおいしいですね」とうなる。
部活帰りの野球少年のようにわんぱくに食べ進めていると、お待ちかねのカレーライスが。マッチと町中華のカレーライス回でその魅力に開眼したマッチ。お味はどうですか?
「煮込むカレーと違って、町中華は高火力で具材やルーを合わせながらスープを加えるから火の味がするんだよね。スープも店によってまったく違うから、そこに個性が出て面白いです。しかも作りはじめて約3分で完成するのがすごい!」とマッチ。
さらに、カレーから味噌ラーメンに取りかかり「味噌の味には郷愁をそそられるよね」と大満足。膨れたおなかをさすりながら「食べたいときに好きなものを食べることが本当にしあわせ。絞るときは絞る、食べるときは食べるというスタンスだからね。今日はたくさんおいしいお料理をいただいたので繊維街を歩きながら帰ります」と足取り軽く、店を後にした。
中華料理 勝楽
東京都荒川区東日暮里6-17-3
TEL/03-3801-5233
営/11:00~14:30LO、17:00~20:30LO
月曜休み
20席
近藤真彦(こんどう・まさひこ)
1964年生まれ。歌手、俳優、レーシングチームオーナー兼監督、実業家。1979年テレビドラマ『3年B組金八先生』でデビュー。1980年以降はソロ歌手として、『スニーカーぶる~す』『ギンギラギンにさりげなく』『ハイティーン・ブギ』『ケジメなさい』『愚か者』などなど、ヒット曲を多数発表。現在もコンサートやディナーショーで多くの観客を魅了し、そのスター性は健在。
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近藤真彦(マッチ)が熱々の餃子を頬張り、豪快に麺をすする…。アエラスタイルマガジンで連載中の、ワンパクな大人たちのための食の探訪記。大好評のその内容に、取材時のアザーカット他を盛り込んで一冊のムックに。日本武道館での還暦バースデーコンサート直後に行ったロングインタビューや、ワクワクが止まらないスペシャルな「読者プレゼント(抽選)」にもご期待ください!
タイトル:『AERA STYLE MAGAZINE presents 近藤真彦 マッチと町中華。』
仕様:B5判、100P、オールカラー 発売日:2024年11月25日(月) 定価:1650円[税込]
NEWS!
<マッチと町中華。>ステッカーが完成!
マッチさんが訪れた店舗には、ご本人からオリジナルステッカーをお配りすることになりました。記事掲載された店舗に足をお運びの際は、このステッカーを探してみてください!
Photograph: Akira Maeda(MAETTICO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Hair & Make-up: GONTA(weather)
Text: Keiko Kodera