週末の過ごし方

平安貴族のリトリート、
嵐山の青もみじに包まれる初夏の雅なステイ

2026.04.21

平安貴族のリトリート、<br>嵐山の青もみじに包まれる初夏の雅なステイ
桂川沿いにある染色の工房「嵐山 祐斎亭」。初夏の緑が美しい。

レジャー、スポーツ、休息と旅の目的は数々あれど、季節感はディスティネーションを決めるひとつの基準になる。インバウンドの増加から、もはや観光立国と言っていい日本のローカルが常に発見の対象となるのも、四季折々の魅力があることが大きい。とはいえ、意外に知られていない季節の楽しみはまだまだ残っている。

たとえば京都。春は桜、秋は紅葉、夏は暑いが祇園祭や五山送り火などの祭事がある。寒い冬も凛(りん)とした空気は古都の静けさを際立たせ、積もる雪は趣深い。そしてこれからの時期、ぜひ見ておきたいのが「青もみじ」。

他の地域に在住の人には耳慣れないかも知れないが、京都では初夏からの新緑をこう呼ぶ。洛中はもちろんのこと、圧巻なのはやはり洛外の山野だろう。なかでもおすすめなのが京都駅から20分余りの嵐山。大覚寺や西芳寺、常寂光寺といった古刹のほか、山や川岸が緑に包まれる。水面に映るリフレクションも合わさり、広がる青もみじのパノラマはまさに絶景。

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バルコニーの前には「黒の庭」がしつえられてある。小さな滝が涼感を演出。

特にランドマーク的なスポットといえば、桂川にかかる渡月橋エリア。そしてそのほとりにたたずむホテル「MUNI KYOTO(ムニ キョウト)」が、いま新しい京都のラグジュアリーステイとして注目を集めている。

周囲の自然と調和する2階建ての低層で客室は21室のみ。寺院建築の回廊のように、館内の廊下はあえて視線のヌケがない折れ曲がった設計になっており、ほの暗く包まれるような雰囲気を醸し出す。ゲストルームに入ると、一転して約34.5mの天井高、5060㎡というゆとりのある広さと和洋を絶妙にブレンドしたインテリアがお出迎え。大きな開口部で嵐山が借景となるぜいたくさは、ちょっとしたサプライズだ。

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2階のゲストルーム「嵐山バルコニー 2ダブルベッド」。大きな開口部に嵐山を飾る緑の絶景が広がる。
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「Riverside Café MUNI」のカウンター席で、渡月橋という風流な名の名勝を眺めつつ舌鼓。

さらにカジュアルフレンチの「Riverside Café MUNI(リバーサイド カフェ ムニ)」は、すべてのテーブルとカウンターが渡月橋と桂川をガラス越しに眺められるS席。朝食からランチ、アフタヌーンティー、デイナーまでカバーするオールディダイニングだから、時間帯に合わせて異なる風景を楽しめる。

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「Restaurant MUNI」のMUNI French KAISEKI 春のメニューの一例。
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MUNI French KAISEKIでは上質な国産牛がコースの主役。

季節感を味覚で堪能するなら地下1階の「Restaurant MUNI(レストラン ムニ)」へ。フレンチをベースにしつつ、会席のように1113皿の多皿料理で供される。京都の食材をメインに、二十四節気に合わせて内容を替えるという凝りよう。これからの初夏、加茂茄子や鮎など夏の食材がメニューに組み込まれ、盛り付けから食後の余韻まで旬の恵みを感じさせてくれる。

平安時代、嵐山は貴族が鄙(ひな)の風情を楽しむリトリートだった。世界的な観光地となった今も雅な風情は健在。快い川風に吹かれながら、静かな贅を極めた宿で千年続く青もじみをめでれば、京都の奥深い魅力が再発見できるはずだ。

保津川下り(嵐山 イメージ)
桂川上流の保津川下りの船着き場はすぐ。初夏ならではの貴重な体験をぜひ。

MUNI KYOTO https://munihotels.com/

Text: Mitsuhide Sako(KATANA)

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