週末の過ごし方

翔やん、翔んで“昭和”へ。
【下北沢・スナック リー編】
氣志團・綾小路 翔が誘うレトロな小旅行

2026.04.28

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あの看板、あの灯り、あのアーケード─。懐かしくもどこか新しい“昭和”を探す小さな旅へ、氣志團・綾小路 翔(=翔やん)と共にいざ出発! まずは下北沢のスナックで時代を翔び越えちゃおう。

翔やんが語る理想のスナック音量バランス論

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酒と旅をこよなく愛するなかで、翔やんがスナックの奥深さに気づいたのはここ数年。扉を開けるまで何もわからない、その不確かさが魅力。気になっていたスナックリーに今夜ついに足を踏み入れ、「やっぱり入ってみるもんですね」と笑った。

小劇場の灯りがにじむスズナリ横丁。その一角にたたずむのが「スナック リー」だ。「いつか入ってみたいと思ってました」。その“いつか”を、今夜回収する。

引き戸を引くと、え奈ママとなゆさんが柔らかな笑顔で迎えてくれた。まずはウイスキーのソーダ割りを注文。グラスが整うと、翔やんの「お邪魔いたしまーす」の声が店内に響き、三人で乾杯。たったひと言で、初対面の空気がすっとほどける。

翔やんが考えるいいスナックの条件の一つが、音量のあんばいだ。カラオケが爆音で鳴りつづける店では、歌に会話がかき消されてしまう。だが理想は違う。歌う人は気持ちよく声を張れ、隣ではちゃんと会話が弾む。そのどちらもが成立する絶妙なボリュームこそが、いいスナックだという。しゃべりたい人も歌いたい人も、互いを邪魔しない空気。そのバランスを保てる店は強い。スナック リーもまた、その条件を満たす一軒だ。

前々乗りで巡る夜の社交場。旅先スナックは情報源

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カメラマンの「三人の写真撮りますよ〜」の声に満面の笑み。入店直後の緊張はどこへやら、杯を重ねるごとに翔やん節が全開に。

「ツアー中は地方でよくスナックに行きますね。この間は種子島。いま、種子島のスナックがアツいんですよ」。前々乗りでひとり飛び込んだ夜の話を、彼は嬉々として語る。常連に迎えられ、3日連続で通い、混んできたらカウンターの中で飲ませてもらったそうだ。

「リーゼントパワーで突き進みましたね」。笑いながらも、その根底にあるのは街への敬意である。「スナックが一番いいんですよ」。翔やんは言い切る。ママと常連と旅人が一つの輪になるからだ。隣に座った人に「僕はまず“どこ中ですか?”って聞く」。“ヤンキー民俗学”と冗談めかすが、そこから街の歴史や人間関係がじんわりと見えてくる。翌日のライブのMCは、その夜の会話から調達。そして大いに盛り上がる。翔やんのスマホには、各地の“中学事情”が蓄積されているのは言うまでもない。

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初めての店は緊張しないのか、と問えば「めちゃくちゃ臆病」と笑う。必ずと言っていいほど、海外旅行の初日はうまくいかないのだという。本場の味だと言い聞かせ、日本でも展開しているチェーンのバーガーをテイクアウトし、ホテルの部屋で食べて終わる夜もあった。それでも翌日には吹っ切れる。「行かないで終わるのはもったいないなって勢いで!」。そうして踏み出す一歩が、やがて街と人をつないでいくのだろう。

え奈ママが言う。「地方に行くと、まずスナックで次の日の情報を聞く」。翔やんは深くうなずく。「生きている情報に勝るものはない」。ネットの星より、隣の客のひと言。スナック リーでは、その“生きた情報”が杯と共に回る。

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ほろ酔いで夜風が気持ちいい。いざニューサニーへGO!

リーの客層は400代が中心だが、最近は若い世代も増えたそうだ。しかし翔やんは言う。「ガールズバー的なのじゃなく、やっぱり昭和を感じる昔ながらがいい」。しっぽりとした時間が、静かに更けていく。名残惜しく店を後に。徒歩5分ほど。次なる扉へ。

綾小路 翔(あやのこうじ・しょう)
氣志團の團長。千葉県出身。リーゼントに学ランという独自の美学で、ロックと昭和歌謡を横断。代表曲「One Night Carnival」などで知られ、エンタメ性と人情味ある言葉でカルチャー全般に影響を与えつづけている。

スナック リー
住所/東京都世田谷区北沢1-45-15
TEL/03-3460-6100
営業/20:00~2:00
定休日/日、月~木の祝日

<<ニューサニー編は5/12(火)公開予定!

「アエラスタイルマガジンVOL.60 SPRING/SUMMER 2026」より転載

Photograph: Kentaro Kase
Styling: Michiko Koizumi
Make-up: Ai Yuki
Edit & Text: Mayu Yamamoto

衣装協力:アクセサリー/PUERTA DEL SOL

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