週末の過ごし方
ミラノデザインウィークで見つけた
デザイン都市ミラノの楽しみ方【後編】
2026.08.12
初めて訪れたミラノデザインウィーク。前編に続き、後編では見るべき展示の絞り方や、通常のミラノにおけるデザイン関連スポットやショップなどを巡る時の秘訣など、自分なりに気づいたことを紹介したい。
今回のミラノデザインウィークで個人的に印象的だったのは自動車メーカーの展示だ。想定以上に出展メーカーが多く、自分が見ただけでもレクサス、ヒュンダイ、フィアット、アウディ、ジーカー、アイオンが趣向を凝らした魅力的な展示を行っていた。ほかにもランボルギーニやフェラーリ、アルファ ロメオ、マセラティなどのイタリア勢や、チェコのシュコダやスペインのクプラ、中国のジーリーなど日本ではあまりなじみのない自動車メーカーも出展。車が好きな人であれば、これらの展示を巡るだけでも十分楽しめるはずだ。
日本や日本人に関連する展示も多く、これらを巡るのもいいだろう。展示内容に加えて、日本人以外の来場者の反応をチェックすることで、日本のブランドやメーカー、展示製品をより客観的な視点で見られ、新たな発見があるかもしれない。今回は個人的にレクサス、ファニチャーブランドのタイムアンドスタイル、西陣織で知られる京都のホソオ、高島屋と京都の龍村美術織物が共同で手がけるカーサタツムラ、建築家の伊東豊雄が空間構成を手がけたアンドレア・ブランジの回顧展、同じ伊東の提唱により行われた「国際子ども建築模型ワークショップ展」を見ることができた。
そもそもすべての展示を巡ることは難しいと思うので、例えば、自動車と日本とか、ハイブランドとプロダクトデザインのように、ジャンルやテーマをひとつやふたつに絞っておくと、より充実した時間を過ごすことができるだろう。
夜は招待制のパーティが各所で行われていたためか、ガリバルディ駅から中心エリアに向かうガリバルディ通りなどは、連日遅い時間まで大勢の人たちで賑わいを見せていた。現地の人によれば、通常でも夜遅くまで人の多いエリアだが、やはりミラノデザインウィーク期間中はいつも以上に盛り上がるとのこと。また、油断は禁物だが、深夜でも治安は良いと感じた。
今回、市内各所の展示を巡るために使用した交通手段は地下鉄だけ。どこに行く場合でも特に不便さは感じなかったが、ミラノ市内にはバスやトラムも走っているため、これらを併用していれば、より効率よく巡ることができたかもしれない。料金はいずれもクレジットカードのタッチ決済で支払うことができる。ただし、できれば、乗り放題チケットの購入をオススメする。一番安い地下鉄のチケットが2.2ユーロに対して、1日乗り放題が7.6ユーロ、3日間乗り放題が15.5ユーロ。地下鉄だけでなく、バス、トラムも乗り放題になるので、デザインウィークを巡るにしても観光するにしても、よりお得に市内を巡ることができるはずだ。
市内にはレンタル自転車や電動キックボードも至る所に設置されている。ミラノデザインウィークの主な展示は直径4kmほどの狭いエリアに集中しているため、慣れてきたらこれらを利用するのもありだ。基本的にはアプリをダウンロードして、各車体のQRコードを読み込めば利用ができる。1日乗り放題プランなどもあるので、その日の予定を踏まえて検討したい。決められた範囲内であれば、乗り捨てOKなタイプもあり、利便性が高い。
料金は例えば、市営シェアサイクル「バイクミ」の場合、1日利用パス(基本利用料)が4.5ユーロ。加えて、普通自転車の場合は最初の30分間が無料で、その後30分ごとに0.5ユーロが加算される。電動アシスト自転車の場合は最初の30分間が0.25ユーロで、以後30分から60分までが0.5ユーロ加算、60分から90分までがさらに1ユーロ加算となっている。会社によっても仕組みや料金が異なるので、興味のある人は調べてみては。
ちなみに電動キックボードに関しては、2024年12月からヘルメットの着用が義務付けられたため、利用する場合は日本から折りたたみ式のヘルメットを持参するのがいいだろう。自転車に関しては、18歳以上であればヘルメットの着用は任意となっている。
今回のミラノデザインウィークで感じたことは、イベント期間中はもちろんだが、そうでなくてもミラノはデザインを楽しむ街として最高だということ。市内各所にあるデザインやインテリアを扱うショップだけでなく、イタリアのデザイン史を辿る常設展示が必見のトリエンナーレ美術館や、レム・コールハース設計の建物やウェス・アンダーソンがデザインした館内のバールなど建築やインテリア好きにはたまらないプラダ財団美術館など見どころが満載。交通インフラも整っているので、ストレスなく移動することができる。
ミラノデザインウィークに限らず、ミラノに行く機会があれば、ぜひデザインに注目して市内を巡ってみてほしい。きっとこの都市ならではの心躍る滞在になるはずだ。
Photo & Text:Hiroya Ishikawa