週末の過ごし方
ミラノデザインウィークで見つけた
デザイン都市ミラノの楽しみ方【前編】
2026.08.05
イタリアのミラノは、ファッションの街であることはもちろん、毎年春に世界最大級のデザインの祭典、ミラノデザインウィークが開催されているように、デザインの街としても強い存在感を放っている。
夏休みシーズン真っ只中の今、春のミラノデザインウィークであらためて感じたこの街の魅力や、来年初めてこのイベントに足を運ぼうと思っている人に向けた情報を踏まえて、デザインを軸としたミラノの楽しみ方を紹介したい。
実は今回のミラノデザインウィークにはイタリアのマテリアルメーカーであるアルカンターラの取材で訪れている(アルカンターラの記事はこちら)。それ以外の展示に関しては、空き時間を利用して一般の来場者と同じ立場で巡っている。そのため、観光としてこのイベントを気軽に楽しみたい人たちの参考になるはずだ。
まずはミラノデザインウィークについて説明したい。ミラノデザインウィークとは毎年春にミラノ全域で開催されているデザインのイベントで、今年は4月20日(月)から26日(日)の7日間にわたって行われた。
なかでも中心的な存在が、ミラノ国際家具見本市「ミラノサローネ」である。会場はミラノ中央駅から地下鉄で40分前後の場所にあるフィエラ・ミラノ・ロー。東京でいえば、ロケーション的にも機能的にも東京ビッグサイトのような場所だ。
今年の「ミラノサローネ」では、16万9,000㎡の空間に1,900以上の出展者が集結した。また、同時にキッチンデザインを専門とする展示会「ユーロクチーナ」や「国際バスルーム見本市」、作品性の高い家具や照明、オブジェなどを展示する「サローネ・ラリタス」も開催された。隈なく見たら丸一日では収まりきらないほどの規模感である。
一方、「ミラノサローネ」以外の市内各所では、特設会場や既存のショップを使ってさまざまな展示が行われていた。これらの展示イベントは「フォーリサローネ」と称され、今年は全部で1072のイベントが開催。258名のデザイナーが参加した。
それに加えて、市内各地で学びをテーマにしたトークイベントやワークショップ、レクチャーも開催された。その総数は172。語学に自信のある人はこうしたセッションに参加することによって、デザインについてより深い知見を得ることができるだろう。
では、実際、ミラノデザインウィークはどのような雰囲気だったのか?
展示会場が集中している市内のエリアに足を運ぶと、平日の早い時間でも多くの人で賑わっていて、お祭り感がある。しかもミラノだからか、デザイン業界の人たちが多いからなのか、男女問わずオシャレな人が目立つ。入場に関しては、フラッと入って見られる展示もあれば、入り口でQRコードを読み取り、質問事項に答えることで入場できる展示もあった。特に人気のあるブランドやメーカーの展示は行列ができていることも多いので、気になる展示は早い時間に訪れたほうがいいだろう。
なかには事前のオンライン予約が必要なこともあるので、絶対に見たい展示は入場方法を調べておくことをオススメする。今回でいえば、例えば、グッチやジルサンダーの展示は事前予約制を採用していた。
自分の場合は、初めてのミラノデザインウィークだったこともあり、限られた時間の中でイベント全体の雰囲気を感じながら自由に楽しみたかったため、長い行列ができている展示や、予約時間に縛られる展示は回避。見られるものだけをどんどん見ようと割り切っていたためか、十分に満足のいく時間となった。
ただし、見られた展示は想定よりも少なかった。これは入場できなかったという意味ではなく、ひとつひとつの展示に時間をかけ過ぎてしまい、全体として見ることができた展示の数が少なくなってしまったということだ。特に既存のショップで展示を行っている場合は、展示自体はすぐに見終わることができたとしても、ショップで通常扱っている商品や内装なども気になり、5分でパッと見終わる予定が、気づけば30分経っていた、なんてことも多かった。訪れる展示が決まっている場合は、少し余裕を持ってスケジュールを組んだほうがいいかもしれない。
個人的にはすべてが見どころといった印象で、ミラノデザインウィーク期間中のミラノは、最高に楽しいデザインのテーマパークだと感じた。
Photo & Text:Hiroya Ishikawa