お酒
クラフトビールと映画。【第3回】
『恋する惑星』に合う一杯は?
2026.09.15
Nomcraftの定番ビールがリニューアル!
IPAは、以前よりクリアでかなりドライな印象。しっかりとした苦味もありつつ、時間が経つと次第に奥のほうからホップのアロマが漂ってくる。Lagerは、麦芽のまろやかで優しい甘みがとてもふくよかで、繊細で贅沢な味わい。アルコールを感じさせないせいか、かなり飲みやすく最初の一杯に最適な仕上がり。新定番として仲間入りしたPale Aleは、重くない甘みで時間が経ってもスッキリしていて、甘みと苦味のバランスが絶妙な一杯。さすがシグネチャータイトルなだけに、もう一杯!といきたくなってしまうものばかりだ。
新たな3本を前にして、今回ペアリングした映画はウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』。鮮やかな色彩と、躍動感あるカメラワーク、決して色あせることのない世界観に魅せられ、何度も見返してしまった人も多いはずだ。
1990年代の香港を舞台に、二人の警官と、二人の女、すれ違う恋模様を描いた群像ラブストーリー。同じ街が舞台で、前半と後半の2部構成で描かれながらも、登場人物たちが絶妙にすれ違っていることに気づいたのは、再鑑賞した2度目のことだった。そしてこの二つの恋が、至るところで対照的に描かれていることに気づく。
特に印象的だったのは、後半部分の中心人物フェイの存在だ。彼女は警官633番に恋をして、偶然手に入れた彼の家の鍵を使い、家に侵入し、彼女の面影を片っ端から自分色に染めようとするのだ。彼女の奇怪な行動が“純粋な恋心”なのか、はたまた彼を失恋から立ち直らせるための“儀式”なのか、自分のための“行動”なのか、観るたび受け取り方が変わっていくだろう。
何度でも味わいが変わっていく名作映画を、ぜひ何度でも味わいたくなるNomcraftの定番シリーズで酔いしれよう。
鮎川ジュン(あゆかわ・じゅん)
アエラスタイルマガジンwebの人気企画『いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは?』の選者・執筆者。音楽家、DJ、イベントオーガナイザーなど幅広い顔を持ち、ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」ではバー部門を担当。多種多様なクラフトビールを取り扱う。
SIGNAL social issue gallery
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営業/火・水・木・金曜日11:00~23:00
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Photograph:Ryohei Oizumi
Text:Jun Ayukawa