お酒

スパイシーでフルーティ、焼肉にも合う赤
ブルーマウンテン ヴィンヤード - ガメイノワール 2016
[今週の家飲みワイン]

2018.09.21

小松宏子 小松宏子

スパイシーでフルーティ、焼肉にも合う赤<br>ブルーマウンテン ヴィンヤード - ガメイノワール 2016<br>[今週の家飲みワイン]

もちろん、カナダでは上質な赤ワインもたくさん造られている。梁さんが、残暑も厳しきこの時期に、焼き肉を食べるのにぴったりのワインとすすめてくれたのが、ガメイを100%使用したこちらだ。ガメイ(正式名はガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン)といえば、ボジョレーヌーボーで知られるぶどう品種。さっぱりとした酸味と、ベリー系のフルーティーな味わいが特徴で、このブルーマウンテンヴィンヤードのガメイはまさにそんな均整の取れた一本。

ブルーマウンテンヴィンヤードが位置するのは、西海岸のアメリカとの国境近く、ブリティッシュコロンビア州の南部に位置するオカナガンヴァレーだ。カナダのなかでは緯度が低く、海流の影響もあり、それほど寒さが厳しい地方ではない。バスー湖を望む、絵のように美しいエリアに、マヴェティ一家が1991年に創業したワイナリーがある。湖が気温の調節媒体を果たしていることもあり、安定した冷涼な気候が素晴らしいぶどうを結実させている。

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「ニューワールドのワイナリーにありがちな、大企業主体のワイン造りではまったくなく、いい意味でお金の匂いのしない、ありのままのワインを造るという、ファミリー感の強いワイナリーで、それが魅力になっています」と梁さん。マヴェティ家はワインを造りはじめる前から農園でぶどうを作っており、当初からサステナブルなぶどう栽培を実践している。現在も自社栽培のぶどうのみを使用してワインを醸造。栽培している品種はピノ・ブランやピノ・グリ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ガメイ、ピノ・ノワール。

「どのぶどう品種も素晴らしいのですが、今回、あえてガメイを取り上げたのは、コスパが素晴らしいのはもちろんのこと、ガメイというぶどうは、素直に造れば、土地の特徴が出やすいぶどうだから。すべて手摘みで、20日ほど皮と浸漬させ、天然酵母で発酵させたのち、フレンチオーク樽で熟成させるというナチュラルな造りで、オカナガンヴァレーの恵まれたテロワールが上手に表現されています」と説明する。

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フルーティーでほどよい酸があり、しっかりと骨格がありながら、タンニンが強くはなく、余韻は長くスムーズ。さらにそこはかとないスパイスのニュアンスがチャーミングだ。カナダでもBBQに最適の一本と評されているが、日本でなら、焼き肉にとてもいいというのが梁さんの持論。というのも、脂質の多い和牛には、カベルネ・ソーヴィニヨンの濃厚さよりも、奇麗なガメイのほうがしっかりと脂をきってくれて相性がいいからだという。

この“奇麗な”という表現こそが、カナダのワインの特徴そのものだが、それが実現できるのは、冷涼な気候ゆえ。ぶどうの糖度が上がりきる前に、茎や種などそのほかの部分でフェノール類がしっかりと熟することで、アルコール度を低く抑えたまま、ミッドパレットがしっかりあるワインができるからだ。体に負荷がかかるようなパワフルな濃さはなく、スーッと体に優しく入るのに、風味が豊かという、ある意味理想的なワイン造りが可能になるゆえんだ。温暖化の進行が明らかないま、カナダの地の利は今後ますます注目されそうだ。

<<ノーマン・ハーディ ワイナリー - カルケール 2013

  トーズワイナリー - ランドリー・ヴィンヤード カベルネ・フラン 2013>>

Photograph:Makiko Doi

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