週末の過ごし方
モルディブで考える
楽園旅を“最高”にする条件は?
完結編
2025.08.29
インド洋に浮かぶ南の島にある2つのTHE OZEN COLLECTIONを訪ね、ビジネスパーソンのための最高のリゾート旅とは何かを考えてみたら……。全3回でお届けする楽園旅考の完結編。
1つの島に1つのリゾートがあるモルディブで、異口同音に「また訪れたい」と言われるOZEN LIFE MAADHOOと、OZEN RESERVE BOLIFUSHIに滞在した今回。ビジネスパーソンにとって、どんなリゾートこそ満足いくものとなるのか、この体験をベースに考えてみたい。
過去2回で触れたようにTHE OZEN COLLECTIONの2つのリゾートは共に、オールインクルーシブプランを採用しているが、これは同クラスのリゾートではとても希有である。なぜなら高級シャンパーニュやモルトなど高いコストがかかってしまう飲料を宿泊費に込みにするのは、ビジネスとして厳しいからだ。しかしTHE OZEN COLLECTIONは系列会社に酒類のインポーターがある関係から、多様な飲み物を自由に味わうことを実現しているのである。
リゾートを目指す人なら誰でも、多忙な日常を離れゆっくりとリラックスした時間を過ごしたいと思うはず。そんなときに、チェックのサインのたびにレストランやバーでいくらかかったかを知る現実は、できれば避けたいというのが正直な気持ちだろう。THE OZEN COLLECTIONであれば、そんなわずらわしさとおさらばできる。またこのオールインクルーシブプランではレストランやバーの選択肢を施設内に限定されてしまうことになるが、1つの島に1つのリゾートなのだから、モルディブのどこでも飲食の選択肢はこのリゾートだけなのである。
他の選択肢はないのだから、リゾートでのソフト面での多様性は飲食以外でも重要になってくる。たとえばアクティビティ。南洋の生き物たちと遭遇する機会は数多く用意されている。ベストな環境がそろえば、人は“タイプ”でなくても体験したいという気持ちが芽生えたりするもの。アウトドアやマリンスポーツに熱心でなくても、「別格の美しさ」の海が眼前に広がり、経験豊富なスタッフがサポートしてくれるのなら、まさか自分が……という挑戦へのハードルもグンと下がるし、そんなケースが過去にあった人も少なくないだろう。
ラグジュアリーリゾートでの滞在とは、いわば氷山のようなものだ。ゲストが滞在し経験することはいわば海に浮かんでいる一角であって、その下に何倍もの大きさの氷の山が潜んでいるように多くの取り組みが隠れているが、その例を紹介したい。
OZEN LIFE MAADHOOでは3年前より水耕栽培のファームを敷地内に作り、野菜を育てている。またOZEN RESERVE BOLIFUSHIの敷地内にも「シェフズガーデン」があり、トロピカルフルーツや季節の野菜、ハーブなどを100%オーガニックで栽培している。これにより環境への負荷を減らしながら、ゲストは常にフレッシュな野菜をレストランで味わうことができるのだ。
また前回OZEN RESERVE BOLIFUSHIの豊富なワインセレクションについて触れたが、そこにもチーフソムリエとTHE OZEN COLLECTIONの考え方が表れている。ゲストの充足のためにバラエティに富んだレストランがあり、それぞれに合うようにワインをセレクトするとなると、自ずと種類は増えることになる。約2000種のリストは、王道からマニアックなものまで実に多様。いわく「知名度だけで選んだものはありません。有名無名に限らず、ゲストの方々の要望にいかにして応えるかを基準にしています」
体験したワインテイスティングでは、こちらの好みやブドウの品種を伝えるだけで、瞬時にそのワインを用意してくれ、ボトルが何本もテーブルに並んだ。これは知識とそれに基づいたセレクション、そして常にどこに何があるかという現状を把握しアップデートを怠っていないからこそ可能になっているはず。インド洋に浮かぶモルディブの小さな島で、自分の仕事に誇りを持ちながら最高の体験を持ち帰ってほしいというプロの仕事を垣間見た時間だった。
THE OZEN COLLECTIONのOZEN LIFE MAADHOOとOZEN RESERVE BOLIFUSHIを訪れて考える最高のリゾート旅。それは美しい客室や高揚するレストランやバーはもちろん、普段は決してしないようなことにも挑戦したくなる環境や、小さな不快感さえも払拭しようとする仕掛けがものを言う。つまり、ゲストが意識せずおのずと楽しめるために尽くされた「氷山の一角」を支えるほどの膨大なエネルギーによって、実現するものなのだろう。
モルディブには、シンガポールやドバイからも行きやすい。THE OZEN COLLECTIONは、日本からはもちろんだが、ビジネスパーソンならタフな海外勤務や出張のあと、紺碧の海でただただリラックスして楽しむ旅にぜひおすすめしたいデスティネーションなのである。
OZEN LIFE MAADHOO
OZEN RESERVE BOLIFUSHI
日本での問い合わせ先
株式会社エス・ティー・ワールド
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TEL: 050-5530-6740
Movie: Hiro Matsui