紳士の雑学
ビジネススーツの正しい着こなし
2017.06.24
ビジネスマンにとって、他者の信頼を満たす服装はスーツをおいてほかにない。仕事着のカジュアル化が進行する昨今においても、いざというときにはその役割が要求される。しかし、その恩恵を享受できているビジネスマンはことのほか少ないのではないだろうか? 着こなしの基本ルールを知れば、百戦危うからずだ。
〔ジャケット〕
―Point01.肩まわりがしっかりとフィットしている。
ジャケットの肩まわりが肩にしっかりと収まっていることは非常に大切なポイント。ジャケットの肩幅は実寸と同じか、ほんの少し張り出すくらいが望ましい。腕を真っすぐに下ろしたとき、袖がきれいに落ち、不必要なシワが出ていないことも確かめたい。
―Point02.背中に突っ張りやたるみジワが入らない。
ジャケットの背部は、背中のカーブに自然にフィットしなければいけない。肩甲骨の間に横方向に「つきジワ」が入るのはサイズが小さく、反対に縦方向にシワが入る場合はオーバーサイズの印となる。背中のシワは着心地の良し悪しにも直結するので要注意だ。
―Point03.胸まわりは適度なゆとりを保っている。
前ボタンを留めた状態で胸部ラペル下にこぶしがひとつ入るくらいのゆとりが、適切なシルエットと動きやすさを両立する目安となる。こぶしが内側で泳いでいてはウエストのシェイプが働かない。また反対に、入らないようだと窮屈でウエストの横ジワの原因となる。
―Point04.今日的な印象も意識し適切な着丈を選ぶ。
スーツにモダンな印象を与える点で、着丈は大切なポイント。これにかない、かつ優美なバランスを保つ着丈は、ヒップの曲線がちょうど隠れるくらいの長さだ。着丈がこれより長いと前時代的な印象に映り、短いと落ち着きが感じられず信頼感に不安をきたす恐れがある。
〔パンツ〕
―Point01.ヒップとももまわりがすっきりと見える。
ヒップのカーブに自然にフィットしていて、ヒップ下に大きなたるみがない。またももまわりは太すぎず細すぎず、適度なゆとりをキープし、ヒップからももにかけて、すっきりとしたラインを保つ。特にヒップ下のたるみはだらしない印象を強めるので注意したい。
―Point02.パンツ丈は流行を踏まえ長すぎず短すぎず。
スーツのシルエットを足もとまで美しく見せるために、パンツ丈のバランスにもこだわりたい。パンツの裾がシューズの甲に少しかかり、幾らかたわんで若干のくぼみが裾前にできるハーフクッション、あるいはくぼみのないノークッションが昨今の主流と心得たい。
出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)