紳士の雑学
シャツとタイの組み合わせは、大人の男の知的遊戯。
2017.06.24
ひと昔前までは、シャツといえばワイ(ホワイト)シャツの時代が長く続いたものだった。なぜなら本来のシャツというのは下着として始まったからだ。
背広服の時代が始まったころから、シャツはその立場を変えて見せるものとなり、白いものだけではなくストライプや格子柄のものも着られるようになり、同じころにタイを首もとに締めるというスタイルが定着したのだと聞く。
さて、このシャツとタイの組み合わせというのは、いまではなかなか楽しい遊びに満ちた世界になった。男物のシャツもまさに百花繚乱(ひゃっかりょうらん)といった感じで、その生地はますますカラフルなものも増えてきた。だから紳士服売り場の風景が一変したようにも思えるのも仕方がない。あまりに多いのでどれを選べばよいのか迷ってしまうこともあろう。
最も無難なのは無地のシャツに、レジメンタルストライプや水玉などの柄物のタイを合わせることだろうが、その逆のパターンが、柄物のシャツに無地のタイというスタイル。この場合ニットタイがとても役立つから、まず一本の無地のタイを選ぶなら、僕は黒いニットタイをお勧めする。
組み合わせの妙がわかりはじめれば、あとは絵を描くようにイメージを膨らませてみよう。最近では細かな花柄だって男物シャツやタイの定番になりつつある。勇気をもって着てみればよいではないか。この場合もどちらも柄物というのは、初心者には難しいだろうから、シャツが柄物だとタイは無地という基本セオリーを守ればよいだろう。
そうそう、仕事時間のためのシャツ&タイだけではなく、バッグに一本、ボウタイを忍ばせておき、オフタイムに変身してみるというのも、楽しそうではないか。
出典:永久保存版「スーツ」着こなし事典(朝日新聞出版)