腕時計
モンブラン、 幅広いコレクションと伝説的なヴィンテージ
2017.06.24

筆記具や革製品などで知られるモンブランが時計に本格参入したのは1997年。現在ではわずか20年前にスタートしたとはとても信じられないほどのビッグブランドに成長している。
モンブランらしく山にたとえるなら、その頂上には時計通も仰天したウルトラ・トゥールビヨンや1/1000秒を計測できるクロノグラフなど、機械式時計の極致を究めたスーパーハイエンドな複雑時計が鎮座。そこから中腹まではミドルクラスの魅力的なコレクションがズラリと並ぶ。山麓(さんろく)の広い裾野には若い人にも購入しやすいグッドプライスで、バラエティーに富んだ高品質なモデルも充実、となるだろうか。

スイスのル・ロックルに時計専門のモンブラン・モントル社を設立して2年で6コレクションを開発したほどのハイペースなので、細かく紹介できないが、とりわけ個性的なモデルが「タイムウォーカー」だ。建築からインスパイアされたスケルトンラグが際立った特徴。サイドから見ると中抜きになっており、軽快で都会的なスタイルだ。それに対して、タイムレスなクラシカルをコンセプトとしたのが「スター」という位置づけになる。また、クロノグラフでは、針ではなく積算計のサブダイヤル自体が回転して計測する「ニコラ・リューセック」も人気を呼んだ。2008年には、このモデルで初めてムーブメントを自社製作しているほどだ。
ここまでは現代だが、2007年に伝説的なマニュファクチュールのミネルバを傘下にすることで、機械式時計の輝かしい歴史と伝説も掌中にした。ミネルバの創業年をコレクション名にしたヴィンテージスタイルの「1858」でオマージュを捧げ、その機能美のエッセンスをリファインして継承する「ヘリテイジ」で時を超えたエレガンスが表現されている。
とはいっても、こうしたコレクションを貫く理念は当初からまったく変わっていない。万年筆におけるマイスターシュテュック、すなわちマスターピースを生み出してきた職人のクラフトマンシップが、すべてのモデルに共通しているのである。
「モンブラン ヘリテイジ クロノメトリー ツインカウンターデイト」。ポインター式日付表示とスモールセコンドを左右対称に配置。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径40㎜ ¥339,000 「モンブラン ヘリテイジ クロノメトリー オートマティック」。滑らかな曲線で構成されたシルエットが美しい。コストパフォーマンスも高い。自動巻き、ケースは18Kレッドゴールド、直径40㎜ ¥850,000 「モンブラン タイムウォーカー デイト オートマティック」。モーターレースのイメージをアレンジ。分目盛りと赤い針の視認性も抜群。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径41㎜ ¥310,000
問/モンブラン コンタクトセンター 0120-39-4810
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)※1
Text:Keiji Kasaki(Team Spiral)