腕時計

パテック フィリップ、 「世界最高の時計づくり」で知られる名門

2017.06.24

パテック フィリップ、 「世界最高の時計づくり」で知られる名門
リバー240誕生40周年記念モデル。スモールセコンドを4~5時位置にレイアウト。自動巻き、ケースは18Kホワイトゴールド、直径39㎜  ¥3,340,000(予価、今秋発売予定)(※1)

 1932年に、パテック フィリップはゴールドケースで直径31㎜の丸型時計を発表した。ケースから流れるように一体化したラグに、視認性の高いバーインデックスとドフィーヌ針。何よりもすべてが完璧なバランスで造形されており、洗練されたエレガンスが漂っていた。これが後の丸型時計の規範となったRef.96「カラトラバ」だ。その比類のない美しさから、さまざまなバリエーションを生み出しながらも、不変のスタイルとしてスーパーロングセラーになっている。
 
 1839年にスイスのジュネーブで創業したパテック フィリップは、「世界最高の時計づくり」を社是としてきた。実際にオークションでは高額落札の常連であり、世界最高額の懐中時計も腕時計もパテック フィリップがつくったものだ。ちなみに前者は約28億円、後者は約5億2200万円。
 
 このように途方もない価値を生み出す時計づくりは現在も継承されており、歯車一枚にも多数の工程を費やすなど、妥協を許さない姿勢が貫かれている。

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(※2)

 時計技術でも100件以上の特許を保有。たとえば「ジャイロマックス」は、テンプに取り付けた複数の重りの角度を変えて往復振動の速度を調整=精度を高める画期的な構造として1949年に開発された。このようにヒゲゼンマイに直接的に干渉して調整する緩急針をもたない仕組みは、現在では「フリースプラング」として普及している。
 
 年に1回、3月1日のみ調整が必要な年次カレンダーも1996年に開発して特許を取得しており、いわば過去と現在に等しく君臨する屈指の名門ブランドなのである。もちろん未来に向けても、シリコンなどの新素材利用に先駆的にチャレンジする一方で、機械式クロノグラフで新たに6件の特許を取得している。
 
 こうした知識がなくても、パテック フィリップの時計をひと目見ただけで、華やかなきらめきを感じるに違いない。時計は男性にとって唯一の宝飾品ともいわれるが、それにふさわしい輝きも含めて、多彩な価値を見いだすことができる超一級品といえるだろう。

  • 5960_1A_010
    「年次カレンダー搭載クロノグラフRef.5960/1A」。年次カレンダーに、フライバック・クロノグラフを搭載。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径40.5㎜ ¥5,560,000(予価、今秋発売予定)
  • 5196_J_S_F
    「カラトラバRef.5196」。腕時計の規範となった初代Ref.96のデザインを忠実に継承。ケースだけは大幅にサイズアップ。手巻き、ケースは18Kイエローゴールド、直径37㎜ ¥2,200,000
  • 5168G_001
    「アクアノート・ジャンボRef.5168」。誕生20周年を迎えたスポーツモデルの新作。自動巻き、ケースはホワイトゴールド、サイズ42.2㎜(10-4時方向) ¥4,200,000(予価、今秋発売予定)

問/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109

掲載した商品はすべて税抜き価格になります。

Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)※1、Mitsuya T-Max Sada※2
Text:Keiji Kasaki(Team Spiral)

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