接待と手土産
「手みやげ」というコミュニケーションツール
秘書課の御推奨手みやげ
2017.06.24
「手みやげが行き着く場所をイメージする」「自己満足で終わらせない」「季節感を忘れない」──タイタンキャピタル社長秘書、柳町絢子さんの「手みやげの三つの作法」だ。
「手みやげが行き着く場所が、ご自宅なのか、オフィスなのか。それによって、選び方が変わってきます」
たとえば、自宅へ配送するのなら、より親しい間柄のことが多いので、上司に家族構成や好みのものをリサーチしたうえで吟味する。あるいは、オフィスへ出向く場合なら、本人のみならずスタッフ全員が楽しめる個数を考え、できるだけ個装のものを選ぶ。切り分けずに済むものや常温保存でいいものをセレクトするのも基本だ。さらには、会食時の手みやげなら、その後、相手が帰宅することを想定し、家族と楽しめるものを考える。
また、「手みやげを選ぶ際、自己満足で終わらないように注意をしています。手に入りにくい貴重なものや高価なものは、準備段階ではワクワクしたり、手に入れば達成感がありますが、本当に喜んでいただけるものなのか、相手の負担になっていないか、一度冷静になって考え直します」とのこと。
確かに「自己満足的手みやげ」はやっかいだ。贈り手の満足度は高いが、果たしてもらう側の満足度がそれと比例するか。そのあたりが難しい。そして「季節感」。「せっかく日本には四季があるのですから、できるだけ季節感を取り入れたいと思っています。お会いした季節が巡ってきた際に、手みやげを思い出していただければ、『最近、会ってないな』『去年の今ごろに、初物の○○をいただいたな』など、記憶から(私たちを)引き出していただけるきっけかになるのではないでしょうか」
今回紹介してくれた3点もこの作法にかなっている。たとえば「梅干 ふくふく」は季節感があり、個装。グルテンフリー、シュガーフリー、無添加の「ブリスボール」は健康感度の高い人の心にヒットしそうだ。そして、柳町さんがまだ手みやげとして使用していないものの「いつかお渡ししたいとチャンスを狙っています」というヴェルナーの「わっぱ入り 干支(えと)セット」はひとひねりある品。賀寿の祝いや新築祝いなどに使いたいという。
手みやげは単なる贈り物ではない。相手に自らの存在を印象深く残し、次のコミュニケーションにつなげるツールのひとつでもある。
1.梅干 ふくふく(小)11個入り¥5,000/京橋千疋屋 03-3281-0300
2.ブリスボール 5個入り¥1,380/フードジュエリー 050-5316-3575
3.ヴェルナー わっぱ入り 干支セット¥12,800/アトリエ ニキティキ東京ミッドタウン店 03-6721-1107 http://www.nikitiki.co.jp
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
Photograph:Fumito Shibasaki(DONNA)[Still]、Akina Okada[Model]
Illustration:Kazuo Hozumi
Text:Sachiko Ikeno