旬のおすすめ
万年筆は男の武器。 その1
2017.08.14

万年筆は男の武器である――そう説いたのは、作家の池波正太郎。
万年筆は単なる筆記具にあらず。持ち主の人となりを雄弁に物語る“武器”なのだ。
また、万年筆でつづられた文章からは、書き手の姿も浮かび上がってくる。筆圧やかすれ、ちょっとした書き癖までもが、思いを伝える“武器”となる。
“書く”ことが、端末を“打つ”ことに取って代わられて久しい。そんな時代だからこそ、万年筆の意義を改めて見直してみたい。
いま、持つべき万年筆とは? 自分にふさわしい一本とは? 5回にわたるこの連載企画のなかで、きっとその答えが見つかるだろう。第1回は、オーセンティックな品格のある、王道的な定番を紹介する。

モンブラン/マイスターシュテュック 149
モンブランの最高峰ライン、マイスターシュテュック。そのなかでも、軸径が16mmと最も太く、重厚な風格にあふれたモデルの149。ヨーロッパ最高峰であるモンブランの標高4810を刻んだ18Kのペン先からも、太く味わい深い線が生み出される。¥90,000/モンブラン(モンブラン コンタクトセンター 0120-39-4810)

ウォーターマン/メトロポリタン エッセンシャル ブルーCT
1883年、毛細管現象を応用した世界初の万年筆を誕生させたウォーターマン。『メトロポリタン』はシンプルで都会的なコレクション。ブルーラッカー仕上げのスレンダーなボディーから、ステンレススチールのペン先まで、洗練された印象が漂う。¥12,000/ウォーターマン(ニューウェル・ラバーメイド・ジャパン 0120-673-152)

パイロット/カスタム743
軸径15.7mmという、太くオーセンティックなブラックレジンのボディーに、カスタムシリーズとしては最も大きい15号サイズの14Kのペン先を採用し、ゆったりとしなやかな書き心地を追求した。日本のものづくりを感じさせる一本。¥30,000/パイロット(パイロットコーポレーションお客様相談室 03-3538-3780)

パーカー/ソネット プレミアム シズレGT
2つのロイヤルワラント(英国王室御用達)を得るパーカーの、モダンでスタイリッシュなコレクション『ソネット』。パーカーを象徴する「シズレパターン」と呼ばれる格子模様を刻んだスターリングシルバーのボディーと、矢羽クリップをはじめとするゴールドカラーのパーツとのコンビネーションがエレガントさを際立たせる。¥50,000/パーカー(ニューウェル・ラバーメイド・ジャパン 0120-673-152)

セーラー/プロムナード万年筆
クラシカルななかにも、14Kのペン先には創業年の1911を刻み、クリップにはセーラーを象徴する錨(いかり)マークをあしらうなど、ディテールにまでこだわった。リーズナブルな価格で14Kのペン先の本格的な書き味が楽しめる、エントリーモデルにおすすめの一本。¥10,000/セーラー(セーラー万年筆 ユーザーサービス 0120-191-167)

クロス/センチュリーⅡ ブラックラッカー
コニカルトップと呼ばれる円錐(すい)形のキャップトップが特徴的な、クロスを代表するシリーズ『クラシック センチュリー』のデザインを受け継ぎつつ、現代的な解釈を加えた『センチュリーⅡ』。クールなイメージのブラックラッカー仕上げ。書き味を意識したサイズと重量バランスも絶妙。¥19,000/クロス(クロス・オブ・ジャパン 03-6264-9697)
掲載した商品はすべて税抜き価格になります。
Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Eiji Ishikawa(TABLE ROCK.STUDIO)
Text: Yasushi Matsuami