旅と暮らし

タイのセレブ一家がつくった、バンコクで圧倒的におしゃれなホテル

2017.12.14

大石智子 大石智子

タイのセレブ一家がつくった、バンコクで圧倒的におしゃれなホテル

前置きなしに言うと、バンコクでいちばんおしゃれなホテルは「ザ・サイアム」だと思っている。まるでホテルの見本市のように、バンコクにはさまざまなホテルが集結していて、その数およそ1800以上。5つ星ホテルだけでも200以上ものホテルが集まっている。選択肢が多すぎだ。でも、もしもホテルでの特別な体験を期待するのなら、「ザ・サイアム」は間違いない。

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ひとことで言うと、プレミアム・アーバンリゾートだ。とはいえエントランスはまるで質素な邸宅のように小ぢんまりとしている。外観だけだと得体が知れない。謎を抱えながら中に入ると、先に進むごとにアガった。噴水のある中庭も、アートが配されたレセプションもかわいらしく、圧巻なのが部屋に行く途中に通るアトリウムだ。30mもの高さのある空間には巨大な南国の木が並び、その先は天井に届きそうなほど。

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左右の廊下には飾りの域を超えたアンティークがズラリと並び、よくこれだけ集められたなと驚く。「ここはバンコク?」「本当にホテル?」と、植物園かミュージアムにいるような気になったのだった。アジアの大都市で、こんなホテル見たことがない。

なぜ、これほどまでにユニークなデザインになったかというと、このホテルのオーナーがタイを代表するセレブ一家、スコソル・ファミリーだからだろう。家族のそれぞれが、ジャズシンガー、ロックシンガー、俳優と多彩な才能をもち、レコード会社やホテルビジネスを成功させている。彼らのあふれ出る感性をカタチにしたのが、「ザ・サイアム」なのだ。だから、都市のホテルはこういうもんだろうという型がない。

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長男のクリサダが集めた1000以上のアンティークは価値ある本物なので、ある意味ここはミュージアムでもある。そのクリサダが国際的に有名なデザイナー、ビル・ベンズレーとタッグを組み、ホテルのデザインをつくり上げた。

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部屋数はほんの39 室。全室がリゾートのヴィラのような高い天井とファンをもち、専属バトラーもつく。バスルームはひと部屋分の広さがあり、左右の壁に大きな鏡が取り付けられているので自分の姿が無数に映る。カップルにはこのうえなくロマンチックな部屋なので、ここは新婚旅行にも最適だと思う。

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ひとつ言うと、「ザ・サイアム」はバンコクの北側のチャオプラヤ川沿いに位置し、街の中心地からは距離がある。なので、ずっと繁華街で遊んでいたいという人には向かないかもしれない。逆に、ホテル重視、もしくは2〜3回目のバンコクという人におすすめだ。

ちなみに私が3年前に泊まったときは、「ザ・サイアム」に2泊、中心地のホテルに2泊した。「ザ・サイアム」にいたときは、近くにあるバックパッカーの聖地といわれるカオサン通りで懐かしのカオスな夜を味わったり、チャオプラヤ川沿いのプールサイドでフィッシュ&チップス片手にだらだら飲んだり、さらにはノスタルジックなバーでも飲んでいた。ムエタイ(スパルタ!)で汗を流し、スパのトリートメントを受け、カラダにいいこともした。2泊3日、あまりホテルから出なかったのだ。

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ひと晩は街の中心地に行ったのだけれど、その際はホテル専用のボートを使ってスカイトレインの駅まで出た。ちょうど夕方にボートに乗ったから、サンセットを眺めながらのリバークルーズを楽しめた。チャオプラヤ川はチャイみたい色をしているけど、砂利運搬船など働く船もたくさん通るし、私は妙に心引かれる。だから、バンコクでは川沿いのホテルに泊まりたいという願望があるのだ。

そう昔から思っていたところ、「ザ・サイアム」のような個性を放つホテルがチャオプラヤ川沿いに誕生した。超おしゃれなホテルと、ゆるい流れの川の組み合わせが最高だ。そうそう、このホテルに行くと、アトリウム、廊下、バー、部屋etc.あらゆる場所が絵になるので、彼女と一緒に行く人はカメラマン役に徹することになるかもしれない。女ふたり旅の撮影も盛り上がったものだ。

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ちなみにホテル内のレストランもおいしかった。ピータン入りのガパオがお気に入りだけれど、あれはいまでもあるのだろうか。アトリウムの巨大木がどれくらい天井に近づいているかも気になるので、そろそろ再訪したいと思っている。

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日本での問い合わせ先;プリファード ホテルズ&リゾーツ  0120-984-450
※「ザ・サイアム」はプリファード ホテルズ&リゾーツのレジェンド・コレクションに加盟
https://preferredhotels.com/destinations/bangkok/the-siam

プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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