旅と暮らし

「コンラッド・ソウル」が教えてくれた、最高に美味しくて楽しいソウルの歩き方 Vol.1

2017.12.26

写真・図版 大石智子

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「いまのうちに遠い所に行こう」と旅をしているうちに、ソウルに行ったことがないまま何年も経ってしまった。知り合いがいなくてどこに行ったらいいのか見当がつかなかったという理由もある。それでいて日本で手に入るソウル情報は山のようにあり、そこからピックアップするのも面倒だった。

そんなソウル超初心者の私がソウルに行くきっかけとなったのが、“Conrad1/3/5”というコンラッドが提供するサービス。これは、「旅先で自由な時間が1時間、3時間、5時間あったら……あなたは何をしますか?」というテーマのもと、限られた時間を思いっきり楽しんでもらうための取り組みだ。各街ごとに、ゲストのリクエストに合わせて、1時間、3時間、5時間で満喫できるプランを提案してくれる。

「1時間でお肉のおいしい店に行きたい」
「3時間でアートを楽しみたい」
「5時間でおしゃれなディナーとバー巡りをしたい」

といった要望に応え、地元民ならではの情報を教えてくれる。それも、すべて無料。初ソウルを「コンラッド・ソウル」に委ねようと、金浦(キンポ)空港行きのフライトをすぐに取った。

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「コンラッド・ソウル」は韓国随一のビジネス街である汝矣島(ヨイド)の中心に位置し、地下鉄の駅直結という好立地にある。ロビーに入ると、客層は欧米と地元のビジネスマンが多く気分がシャキっとした。なんというか、アッパーな地元感があった。忙しい彼らも“Conrad1/3/5”を利用するらしく、その場合はやはり“1”が大多数だそうだ。ではさっそく、私が「コンラッド・ソウル」に教えてもらった、1/3/5を時間ごとにお伝えしていく。

【1時間コース】
ランチにカンジャンケジャンが食べたい!→「花蟹堂(ファヘダン) 汝矣島店」へ

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初ソウルで最も食べたかったものが、カンジャンケジャンだ。ホテルからタクシーで5分、歩いても行ける距離にあるこの店は、私のカンジャンケジャンへの夢を完璧にかなえてくれた。ガブっとかぶりつくと、とろりと湿った身を舌に感じると同時に、熟成した内子(卵)の衝撃が走る。このとき、「ソウルに来てよかった!」と心底感じた。1杯目を食べ終わることがあまりに悲しくて、結局2杯目をお代わりした。

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ミシュラン1つ星を獲得した店なため予約するのが確実な方法で、個室がおすすめ。あまりのおいしさに、じっと目を閉じたり、うなだれたりしてしまうからだ。その後、ほかのカンジャンケジャンの有名店も行ったが、この店が一番と感じた。猛烈に再び食べたい!

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「花蟹堂 汝矣島(ファヘダン ヨイドジョン)店」
TEL:02-785-4422
ソウル特別市 永登浦区 汝矣島洞13-21, MANHATTAN21リビングテル 2階
http://www.hwahaedang.com

【3時間コース】
バーをはしごしたい→「LE CHAMBER」プラス
「White Bear Makgeolli Bar & Brewery」

「LE CHAMBER(ル・チャンバー)」というバーは、“アジアのベストバー50”に入っていたため、元から興味があり、やはりホテルのおすすめでもあった。ソウルでは計4軒のバーに行ったが、ここは1〜2のお気に入り。特に驚いたのが、“Yeouido Sling”という桜の香りがする一杯だ。

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桜色のカクテルが提供されると、バーテンダーさんが私に向かい扇子で風を送ってくれた。するとカクテルから淡く甘い桜の香りがふわりと漂い、まるで春に外を散歩しているような気分に。そんなサプライズがありつつ味もきっちり決まっている。この一杯以外もおいしく、後日リピートしたバーのひとつだ。そうそう、バーの扉は本棚のいずれかの本を押すと開くというカラクリ。バーに入る前までもが面白い。

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ちなみに「LE CHAMBER」から徒歩30秒に「ALICE CHEONGDAM」というバーもあり、こちらもはやっているので、はしごするのもよいだろう。個人的には前者のほうが好きだった。

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「LE CHAMBER(ル・チャンバー)」
TEL:02-6337-2014
ソウル特別市 江南区 清潭洞 83-4 地下1階
https://www.facebook.com/LeChamber.seoul/?rf=747677088614245

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次に行ったマッコリバー「White Bear Makgeolli Bar & Brewery」も、「LE CHAMBER」からそう遠くない江南区にあった。韓国のお酒を約230種、うちマッコリが約60種という、マッコリ好きにはたまらないパラダイスだ。席に着くとオーナーと思われる男性が私の前に5本のマッコリを持って来て、味の説明をしてくれた。

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酸味の強くスッキリしたものから、まろやかで甘いもの、微炭酸まで、味わいの違うマッコリを3種飲み比べ。日本で飲むマッコリと全然違い、もっと奥深い……。特に麹(こうじ)の甘さを感じた左から2番目のボトルは、食後、デザート代わりに飲みたいほど。乳酸菌飲料のようなミルキーさがあり、肌によさそうな発酵加減でもあった。店のマッコリを組み合わせてダースで買いたいと思ったほど気に入った。

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「White Bear Makgeolli Bar & Brewery(ホワイト ベア マッコリバー&ブリュワリー)」
TEL:02-540-7644
ソウル特別市 江南区 狎鴎亭48ギル39
https://whitebear.modoo.at

【5時間コース】
おすすめランチのあと、建築とアートを堪能したい→「Kwonsooksoo」プラス
「サムスン美術館リウム」へ

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韓国の宮廷料理にモダンな要素を加えたコースを提供する「Kwonsooksoo(クォンスクス)」は、2017年にはミシュラン2つ星も獲得した実力店だ。シェフのリーさんは27歳と若いながら、伝統的な韓国料理店を営む両親のもと「韓国料理に新たな風を吹き込みたい」と早くから決心。長年受け継がれる基礎をふまえたうえで、プレゼンテーションが美しくユニークな料理を創作する。

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ここでは約7000円のランチコースをオーダーした。特においしかったのは、メインディッシュに選んだ野草の炊き込みごはん。豆乳のスープと6つのごはんのお供が付き、ほっこりさと洗練さが合わさった逸品。釜のふたを開けた瞬間の、炊きたての米と野草の香りが忘れられない。

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「Kwonsooksoo(クォンスクス)」
TEL:02-542-6268
ソウル特別市 江南区 新沙洞643-18 2階
http://www.kwonsooksoo.com

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「Kwonsooksoo(クォンスクス)」で2時間を過ごしたあと、「サムスン美術館リウム」
へ。「ソウルの現代建築を見たい」とのリクエストのもと出てきた美術館で、ここの建物は建築界の巨匠3人(マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーヴェル、レム・コールハース)によって造られたもの。その名のとおりサムスンの美術館であり、巨匠3人の建築を並べたことと、展示作品の豪華さに、「サムスンってすごいな……」と圧倒される。

また、こちらのオーディオガイド(もちろんサムスン製)が秀逸で、アートをよりいっそう楽しむための助っ人となった。約2時間半を美術館で過ごし、有意義な5時間が終了した。

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「サムスン美術館リウム」
TEL:02-2014-6901
ソウル特別市 龍山区 漢南洞747-18
http://leeum.samsungfoundation.org/html_jpn/global/main.asp

以上のように、“Conrad1/3/5”で教えてもらった店はどこもアタリで、初ソウルにしてソウルが大好きになった。聞けば「コンラッド・ソウル」のコンシェルジュたちは、日々新しい店を開拓しており、それ用の予算もホテルから出るという。実際に食べ、「これならゲストに薦められる」と思った店のみを教えてくれるからどこも手堅いのだ。

また、部屋は5つ星ホテルらしい上質&シンプルな造りで、年齢層が上の人が落ち着けるような空間だった。漢江川を見渡す最上階の「37グリル&バー」は華やぎと色っぽさがあり、連日満席。ここのバーで夕暮れどきにアペをしてからディナーに出かけるのもおすすめだ。

よく飲みよく食べ、満たされた気持ちでホテルに戻ってきた時、癒されたのが「コンラッド・ソウル」のシンボルであるいちょうの装飾。ロビーフロアの天井には大きな黄金色のいちょうが飾られ、部屋に続く廊下にもいちょうの彫りものがある。どの葉も揺らいでいるような表情で、見るごとに「帰ってきた」という気持ちになった。また近いうちに、「コンラッド・ソウル」へ戻りたい気持ちでいる。そして、あのカンジャンケジャンの店に再び行く際は、のんびり徒歩で行こうと思う。

次週も引き続き、“Conrad1/3/5”をご紹介。ソウルの美食体験の余韻はなかなかに長い。

コンラッド・ソウル
http://conrad.hiltonhotels.jp/hotel/seoul/conrad-seoul

プロフィル
大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、年に10回は海外に渡航。タイ、スペイン、南米に行く頻度が高い。最近のお気に入りホテルはバルセロナの「COTTON HOUSE HOTEL」。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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