紳士の雑学
素材、仕立て、デザインの三拍子そろった英国製ネクタイをあつらえる。[後編]
2017.12.20
男性にとって、初めてネクタイをしたときの高揚感は忘れられないもの。メインで着用するのはリクルート以降となるが、それ以前にちょっと背伸びしたおしゃれで身に着ける人は多いだろう。首に巻いた一本の布で見違えるほど胸元が映え、凛々(りり)しくまた華やかな雰囲気になる。その誇らしい初心を振り返れば、ネクタイをオンスタイルだけのアイテムにとどめておくのはもったいない。
先日、ドレイクス銀座店でオーダーしたネクタイがついに完成した。イメージは「ビジネスマンが週末に銀座でショッピングを楽しむようなスタイル」。それに応えて営業責任者のクリストファー・ガンズ氏が選んだのが、ロウシルクのストライプ生地だった。専門ブランドだけあって、ハンドメイドによる完成度は想像以上。もちろん、確かな採寸によるサイズ感は申し分ない。何より、ワンアンドオンリーというスペシャリティーが格別。
ネクタイはスーツスタイルの必需品というだけではなく、粋を演出する数少ない男のアクセサリー。出かける際の気分を上げるのにうってつけだ。ドレイクスのオーダーが、そんなタイドアップの醍醐味をあらためて思い出させてくれた。
ビジネスでは主張しすぎない細いストライプのネクタイが推奨されるが、オフでは思い切って大きめのパターンをトライしてみたい。ネイビー、グレー、シルバーという落ち着いた色の組み合わせなら、品を保ちつつ、インパクトを感じさせてくれる。
素材がもたらす印象も大きい。今回は麻を思わせるようなロウシルクで、ところどころに見えるネップがカジュアルな雰囲気を醸し出している。スラックスはもちろん、ジーンズやチノーズにも合わせやすい。銀座に限らず、休日のお出かけに活躍するはず。
【オーダータイ】オーダー価格:¥27,000~ 納期:約3~4カ月、ジャケット¥160,000、シャツ¥23,000、パンツ¥33,000/すべてドレイクス(ドレイクス 銀座店︎ 03-6263-9955)、その他はスタイリスト私物
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph: Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Styling: Takahisa Igarashi
Hair & Make-up: Ryo(COME HAIR)
Text: Mitsuhide Sako(KATANA)