旬のおすすめ
名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第2回】ガジアーノ&ガーリング
2018.01.11
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元”を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
第2回は、英国靴の伝統に独自のエレガンスを加えたガジアーノ&ガーリング。
トニー・ガジアーノ氏とディーン・ガーリング氏という、名うての靴職人が手を組み、2006年に設立されたガジアーノ&ガーリング。
トニー・ガジアーノ氏は、第1回で紹介した老舗中の老舗、エドワード グリーンでビスポークシューの責任者を務めていた経歴の持ち主。
ディーン・ガーリング氏は、英国のいくつかの名店の注文靴の製作に携わり、職人の世界ではその名を知られる存在だった。
「比較的若いブランドでありながら、ビスポークシューで培ったノウハウや技術を生かし、伝統的な英国靴をベースにしながらも、それにとらわれず、よりエレガントでエッジの効いた靴がガジアーノ&ガーリングの特徴です。
ビスポーククオリティーの素材使いも大きな魅力です。アッパーには一流革メーカーの最上クラスのものを用いているのはもちろん、既成靴ではまず見られないイングリッシュ・オークバークのレザーソールの仕上げも素晴らしいですし、ライニングに至るまでまったくスキがなく、非の打ちどころがありません。
ここに紹介する「サボイ」は、ダイヤモンドキャップトウと呼ばれるひし形の切り替えデザインのものです。クラシックななかに、ガジアーノ&ガーリングならではの美意識を感じさせます。ピンキング(ギザギザ飾り)や穴飾りのピッチも、ほかでは見られないほど細かく、繊細でエレガント。
スクエアトウになっていますが、ラウンドが主流のなかで、いま、スクエアが改めて注目されはじめています。ガジアーノ&ガーリングのスクエアトウは、イタリア的なものとは異なり、ビスポークの伝統のなかから発生してきているので、英国的な優雅さを感じさせますね」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami