旬のおすすめ
名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第9回】クロケット&ジョーンズ(タッセルローファー)
2018.01.22
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元“を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
第9回は、ノーサンプトンの名門、5回目にも登場したクロケット&ジョーンズのタッセルローファー。
「ここ数年、タッセル復活の兆しがあったんですが、昨年大ブレークしましたね」
この状況を、村井さんはこう分析する。
「クールビズの登場以降、ビジネススタイルがドレスよりカジュアル化の方向に進み、それに合わせるにはどんな足元にすべきか、レースアップの黒い革靴ではいかがなものか、という声が聞かれるようになりました。
一方、東日本大震災以降、動きやすくて、やわらかい表情の靴のニーズも高まっていました。そこでまず、大ブレークしたのがローファーでした。しかし、それも5年ほど経つとみんなローファーばかりになってしまい、一部の人がタッセルに流れ、そこからブレークに至ったんですね」
そんななかでも、クロケット&ジョーンズのキャベンディッシュ3は、正統派のトラッド感があふれる一足だ。
「昔ながらの定番中の定番。グッドイヤー製法の完成されたタッセルローファーですが、新しい木型#375を使っています。トウのボリュームはそのままに、従来のものよりもウエストを絞り、ヒールカップが小ぶりな仕上がり。日本人の足にもフィットしやすくなっています。カジュアルだけでなく、ドレスライクな着こなしにも合わせやすいと思います」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami