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名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第10回】デュカル
2018.01.23
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元“を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
最終回はフィレンツェのブランド、デュカルの華のあるリボンタッセル。
ルネサンス期の豊穣な文化の面影をいまにとどめ、“花の都”の異名をもつフィレンツェ。古くから優れた皮革製品でも知られている。そんなフィレンツェで1930年代に創業したデュカル。4代目となる現在も、家族経営による少人数の工房で、長年培われた職人技を大切にした仕事が続けられている。
「既成靴だけでなく、ビスポークも手がけていますし、以前プラダ傘下となっていた時代もありました。なので、家族経営でありながら、技術力には確かなものがあります。
現在は、フィレンツェで開催されるメンズファッションの展示会、ピッティ・イマジネ・ウォモにも出展していますね。
前回のクロケット&ジョーンズのタッセルに続き、今回もブレーク中の(リボン)タッセルを紹介しますが、このデュカルの靴は、今回の企画のなかで、唯一のマッケイ製法になります。
コバの張り出しがなく、立ち上がりも低くエレガント。革の風合いや、ブローギングからもエレガントでイタリアらしい色気が漂います。
ソールは、ウエストを絞って、立体的に仕上げたフィドルバック仕様になっています。
いい意味で、トラッドとはまた違った魅力をもったリボンタッセルといえるでしょう。
スーツよりは、カジュアル感のあるジャケット&パンツに似合いそうな靴です。
実は、こうした履きやすくて、つやっぽい靴は、富裕層の方に人気があったりします。
大人の余裕を感じさせる一足といえるかもしれませんね」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami